自分で歌った仮歌を、プロの歌手の声に置き換える。
ボカロPなら一度は「そんなことができたら」と考えたことがあるかもしれません。
IK Multimedia の ReSing は、まさにそれをやれるプラグインです。
DTM をやっている人のあいだではかなり有名で、私も名前は前から知っていました。
デモの動画は何度も見ています。
歌の技術はここまで来たのか、すごく便利になった、というのが正直な感想です。
ただ、私自身は ReSing を持っていませんし、今の価格で買いたいとも思っていません。
この記事では、ReSing が何をするものかを調べた範囲で整理し、Synthesizer V で歌わせている私が「私はボカロでいい」と思った理由と、逆にどんな人に向いているかを書きます。
先にここから価格を確認できます。
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ReSingは、歌った声を別の歌手の声に置き換えるAIのプラグイン
ReSing に入れるのは、打ち込んだ音符ではなく、人が歌った声です。
その歌を、AI で作った歌声モデルの声に置き換えます。
メロディや歌い回しは元の歌のまま、声の持ち主だけが入れ替わるイメージです。
置き換えたあとは、声の雰囲気(CHARACTER)や、なまりの残し方(ACCENT)、強弱の付け方(DYNAMIC)をダイヤルで整えます。

2つのモデルを混ぜて、声質となまりを合わせた声を作ることもできます。
画面の下にある FUSION がそれです。
単体のソフト(スタンドアロン)としても、Logic などの DAW に挿すプラグイン(AU・VST3・AAX)としても動きます。
処理はすべて自分のパソコンの中で行い、歌をクラウドに上げることはありません。
どんな音になるかは、IK 公式の紹介動画がいちばん分かりやすいです。
ボカロ・SynthVとの違いは「打ち込むか、歌うか」
動画を見て最初に思ったのは、ReSing はボカロとはまた違った方向のものだ、ということでした。
私がふだん使っているのは Synthesizer V で、メインの声は重音テトです。
ピアノロールに音符と歌詞を打ち込んで歌わせるので、私は自分で歌を録ることがほとんどありません。

ボカロや SynthV は、歌える人がいなくても、音符と歌詞があれば歌が作れます。
ReSing は反対に、元になる歌が1本あることが前提です。
その代わり、できあがるのは「歌声合成ソフトの声」ではなく、普通の人の声です。
歌手がいなくても、ボカロがなくても、歌ものの曲が作れてしまうのではないか。
動画を見ていて、そう感じました。
Synthesizer V 2 でも、かなり人に近い歌は作れます。
それでも ReSing の声は、また別の、もっと本物っぽい歌の曲として成り立つと思いました。
ちなみに、私が録音しない人間だという話は、オーディオインターフェースの Scarlett 2i2 の記事 にも書いています。
歌声モデルは版によって数が違う。日本語の声のパックもある
ReSing の中には、歌手ごとの歌声モデルが並んでいます。
モデルごとに、声の特徴と言語、出せる音域が書かれています。

版は3つあり、違いは使える歌声モデルの数です(IK Multimedia 公式の比較表より)。
- ReSing SE:歌声モデル2つ・楽器モデル2つ。自分でモデルを作れるのは2回まで
- ReSing:歌声モデル10・楽器モデル10。モデルを作れるのは10回まで
- ReSing MAX:歌声モデル25・楽器モデル25。ほかのソフトで作られた RVC 形式のモデルを無制限に読み込める
どれも買い切りで、サブスクではありません。
まず雰囲気を知りたいなら SE、声を選びたいなら ReSing か MAX、という分け方になると思います。

Plugin Boutique では3つの版がそれぞれ単体で売られています。
IK Multimedia ReSing SE を Plugin Boutique で見る →
IK Multimedia ReSing MAX を Plugin Boutique で見る →
ボカロPにとって気になるのは、日本語の歌だと思います。
ReSing には、日本語の歌声モデル10種類をまとめた Japanese Pack があります。

明るい J-POP の声から、深みのある声まで入っています。
このパックを入れると、自分で日本語の歌声モデルを作れるようにもなります。
IK によると、どの声も ReSing のために録り下ろしたもので、歌い手の同意を取り、対価を払って作られています。
IK Multimedia ReSing Japanese Pack を Plugin Boutique で見る →
1本の歌から重ね録りの声も作れる
別売りの追加機能として、Doubling もあります。
1本の歌から、重ね録りしたような声を2〜3本作り、声ごとに音量と左右の位置を決められます。

サビだけ声を厚くしたいときに、同じ歌い手を何度も呼ばなくていい、という使い方です。
声のパックは日本語のほかにも増えていて、Voices Vol 2 Producer’s Pack などが出ています。
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それでも私が買わない理由:私はボカロでいい
ここまで調べて、ReSing はよくできた道具だと思います。
それでも、今の価格なら私は欲しくありません。
いちばんの理由は、自分が使う場面が思いつかないことです。
私が作っているのはボカロ曲です。
ボカロ曲の中で、声を別の人の声に置き換えて使うのは、少し難しいと思っています。
それに、私はそもそも歌を録らないので、ReSing に入れる元の歌がありません。
歌わせたい声があれば、Synthesizer V や VOCALOID の声を選べば足ります。
だから、私はボカロでいい。
ReSing がすごいと思うことと、自分が買うかどうかは、私の中では別の話でした。
歌声合成ソフトの選び方は、実際に3つ使った VOCALOID6・Synthesizer V・Piapro Studio の記事 にまとめています。
ReSingが向いている人、向かない人
私が思う ReSing の出番は、「ボカロではない感じにしたい」ときです。
向いている人
- ボカロ曲ではなく、普通の歌ものの曲を作りたい人
- 仮歌を自分で歌えて(元になる歌を用意できて)、声は別の人の声にしたい人
- 歌声合成ソフトの声よりも、本物の歌手に近い声がほしい人
向かない人
- ボカロのキャラクターの声で曲を作りたい人
- 自分で歌を録らない人(元になる歌が要るため)
- すでに Synthesizer V や VOCALOID で満足している人
ボカロPでも、ボカロではない普通の歌ものを作ってみたい人なら、候補に入ると思います。
反対に、私のようにボカロの声で作りたい人は、歌声合成ソフトを先にそろえるほうが合っていると思います。
AI を使った歌声のソフトとしては、AI エージェントが操作できる歌声合成の ACE Studio を調べた記事 もあります。
ボーカル用のプラグイン全体のセールの時期は、ボーカル用プラグインのセールの記事 にまとめています。
過去のセール
ReSing は本体のほかに、声のパックも1つずつ買えます。
セールも、本体と声のパックで別々に来ています。

確認できたおもなセールです(ドル表記は海外の告知の金額)。
- 2026年5月(〜5月31日):ReSing Voices Japanese Pack の発売記念価格 $79.99(通常 $99.99)(rekkerd)
- 2026年8月4日〜8月31日:ReSing SE の発売記念で、Plugin Boutique 限定 $24.99(通常 $39.99・37%オフ)(Plugin Boutique のセールページ)
- 2026年8月11日〜8月24日:ReSing MAX が Plugin Boutique で最大35%オフ、$129.99(通常 $199.99)(Plugin Boutique のセールページ)
- 2026年9月18日〜10月18日:ReSing Voices Vol 2 Producer’s Pack の発売記念で、Plugin Boutique で¥17,362(通常¥22,578・23%オフ)
IK Multimedia の製品は、ほかの音源やエフェクトも含めて、ブラックフライデー以外の時期にも大きく下がることがあります。
IK のセールの来かたは、IK Multimedia のブラックフライデーの記事 にまとめています。
まとめ:普通の歌ものを作りたい人の道具。ボカロの声で作るならSynthVから
ReSing は、歌った声を別の歌手の声に置き換える、よくできた AI のプラグインです。
日本語の声のパックもあり、歌手がいなくても普通の歌ものが作れるのでは、と感じます。
ただ、ボカロの声で曲を作りたい私には、使い道が思いつきませんでした。
ボカロではない普通の歌ものを作りたい人なら候補、ボカロの声で作りたいなら歌声合成ソフトが先、というのが私の結論です。
私がメインで使っている Synthesizer V の話は、こちらに書いています。
Synthesizer V Studio 2 Pro を使ったレビュー|ボカロPになるなら買っていい、セールは待たなくていい
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