低音を太くしたくて、EQ で持ち上げてみる。
ですが、上げた分だけ低い所がもわっと濁り、結局また削る。
これは結構あるあるじゃないでしょうかね?
Universal Audio の Little Labs Voice of God は、そういう「足すと濁る」低音を、EQ とは違うやり方で足すプラグインです。
2026年4月に UA の機材が無くても動く版が出て、そのときの発売記念の価格は $49(通常 $99) でした(Universal Audio のお知らせ)。
私はこのプラグインを持っていません。
名前も今回はじめて知りましたが、公式の動画を見て、セールの値段なら普通に欲しいと思いました。
ふだんは低域を削る側のボカロPが、なぜ低音を足すプラグインに惹かれたのか、どんな人なら買っていいか、どのくらい下がるのかを整理します。
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Voice of Godは、決めた低い音だけを響かせて低音を足す
Voice of God は、Little Labs という会社のハードウェアを、UA がプラグインにしたものです。
Plugin Boutique の説明では、共鳴するフィルターで決めた低い帯域を強めつつ、余分な超低域がたまるのは抑える仕組みとされています。

画面にあるのは、大きなつまみ2つと、小さなボタンがいくつかだけです。
公式の説明どおり、frequency で中心になる低い音を選び、amplitude でどれだけ響かせるかを決める、という操作になります。
EQ で低音を持ち上げると、まわりの帯域まで一緒に膨らむことがあります。
Voice of God は「狙った低い音を鳴らす」考え方で足すので、余分な低域をためずに厚みを出せるとうたっています。

キックやベースだけでなく、声の胸の響きにも使う
公式が挙げている使い道は、大きく分けて2つです。
- キック・808・ベース・シンセ:低音に、まとまった「ドン」という厚みを足す
- ボーカル:録った声に、胸の響きと説得力を足す
あわせて、もこもこした低域を下げてすっきりさせる使い方も紹介されています。
足すだけでなく、低域の整理にも使えるということです。

もともとは UA の機材(Apollo など)が無いと使えないプラグインでした。
2026年4月2日に、ふつうの Mac や Windows でも動くネイティブ版が出て、Apollo 版の持ち主にはアップグレードの価格も用意されました。
Mac は Apple シリコンにも対応していて、使うには無料の iLok のアカウントと、UA Connect というアプリが要ります。

公式の動画で、トラックごとに挿していたのが意外に思えた
私が見たのは、Universal Audio 公式のこの動画です。
名前を見たときは、Cradle の The God Particle のような、マスターに挿して全体を仕上げるものかなと思っていました。
ところが動画では、ベースやボーカルなど、トラックごとに挿して使っていたのが意外でした。
低域は、曲の印象を大きく左右する大事なところです。
そこを1トラックずつ、つまみ2つで足せるのは普通に面白そうだと感じました。
それでいて値段も手ごろなので、かなりいいと思っています。
もちろん、これは公式の動画を見た感想で、自分の曲にかけて確かめたわけではありません。
欲しかったCradle Orionと、目指すところは同じに見えた
ドラムやベースの低音を太くしたくて、前から欲しいと思っているのが、Cradle の Orion です。
ドラムや低音を太くするためのプラグインで、Plugin Boutique では扱いがなく、Cradle の公式サイトで買う形です。
Voice of God の動画を見たとき、低音を足すという目的は、Orion と同じに見えました。
使う場面も近く、考え方としては同じ方向を向いたプラグインだと思います。
Cradle が好みだという話は、DB-30 Drum Butter の記事や、Heavyocity PUNISH のページにも書いています。
低域を削りがちだからこそ、足すほうを試したくなった
私のミックスは、どちらかというと低域を削る側です。
ボーカルはけっこうローカットしますし、ベースもぼやけたら足すより先に削っています。
ベースの音作りでやっていることは、こちらにまとめています。
ボカロのベースの音作り|ぼやけたら、足す前にまず削る。MODO BASS 2を使うボカロPがEQ・コンプ・サチュレーションでやっていること
それでも、ミックスの中で低域が前に出すぎて困ることはありました。
そういうときに、もう少し削ったうえで、必要なところだけ Voice of God で足してうまくまとめる、というやり方も考えられそうです。
一方で、歌声合成の声に低い響きを足したいと思うことは、正直あまりありません。
ただ、ボーカルの低域はカットする人が多く、ボカロの曲で声の低音を足している人はあまり見かけません。
だからこそ、声に胸の響きを足すのは、逆に新しいやり方になって、自分の曲の個性にもなるかもしれないと思っています。
これはまだ試していない、考えの段階の話です。

どんな人なら買っていいか
向いているのは、低域を足すためのプラグインをまだ持っていない人だと思います。
The God Particle や Cradle Orion のような、低域に特化したものを持っていない人には、買う価値があります。
反対に、すでに Cradle Orion を持っている人には、いらないと個人的には感じました。
目的が近いので、2つそろえる意味は薄いと思います。
低音は EQ だけでも整えられるので、まずは手持ちの EQ で削ることから始めるのも十分ありです。
EQ の選び方は、EQ プラグインのおすすめの記事にまとめています。
過去のセール
これまでに確かめられた値段は、次のとおりです。
- 2026年4月2日:ネイティブ版の発売記念の価格が $49(通常 $99)(Universal Audio のお知らせ)
- 2026年10月12日:Plugin Boutique で ¥8,480(通常 ¥17,250・50%オフ・10月15日まで)

ネイティブ版が出てからまだ半年ほどなので、確かめられたのは2回だけです。
発売記念の時点で通常の半額だったので、半額前後になっていれば、買ってもいい値段だと思います。
UA のプラグインは、会社全体のセールでまとめて下がることが多いです。
ほかの UA の製品は Universal Audio のセールの記事に、同じくらいの値段まで下がるバスコンプは API 2500 のセールの記事にまとめています。
まとめ
- Voice of God は、決めた低い音を響かせて低音を足す、Little Labs のハードを UA が再現したプラグイン
- 2026年4月にネイティブ版が出て、UA の機材が無くても動くようになった
- 公式の動画では、マスターではなくトラックごとに挿す使い方が意外で、面白そうだと感じた
- 低音を足すという目的は Cradle Orion と同じに見えた。Orion を持っている人には要らない
- 低域に特化したプラグインをまだ持っていない人なら、半額前後で買う価値がある
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