ボカロ曲を作っていて、ベースだけがぼやけて聞こえることがあります。
低いところでモワッと広がって、ほかの楽器や歌の輪郭までにじんでしまう状態です。
そういうとき、つい「もっと聞こえるように」と何かを足したくなります。
でも私の場合、ぼやけたときに効くのは、足すより削るほうでした。
この記事では、ボカロPの私がベースの音作りで普段やっていることを、順番どおりに書いていきます。
音源の使い分け、EQ で削る場所、コンプとサチュレーション、聞こえないと感じたときの確かめ方までです。
ベースのフレーズの作り方(打ち込み)は別の記事にまとめているので、ここでは音を整える話だけにしぼります。
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音源は基本 MODO BASS 2、シンセベースは曲によって重ねる
音作りの前に、元になる音源の話をしておきます。
私のベースは、基本的に IK Multimedia の MODO BASS 2 です。

MODO BASS 2 は、ベースの種類やピックアップ、弾き方を選んで音を作れる音源です。
使っている感想は、MODO BASS 2 のレビューに書いています。
シンセベースを使うのは、EDM 寄りの曲のときです。
それ以外では、MODO BASS 2 の音にシンセベースを重ねて使うこともあります。
どちらにするかは、曲によって使い分けているのがほとんどです。
シンセベースは、普段使っているシンセの Pigments(Arturia)から作ります。
ベース音源の選び方そのものは、ベース音源のおすすめの記事で、無料のものから順にまとめました。

Pigments を使っている感想は、Pigments のレビューにあります。
いつもの順番は、EQ で削る→コンプ→サチュレーション
ベースの音作りで私がいつもやるのは、EQ で削る、コンプ、サチュレーションの3つです。
特別なことをしているわけではなく、毎回この流れで整えています。
下の画面は、ある曲のベースのトラックに Pro-Q 4 を挿したところです。
左のインサートには、上から Pro-Q 4 が2つ、コンプの Pro-C 3、サチュレーションの Trash と ChromaGlow が並んでいます。

もう1つ、よくやるのがアンプをつなぐことです。
ベースにアンプを通して、アンプの後ろに EQ を置いて音を作ることが結構あります。
EQ は FabFilter の Pro-Q 4 を使っています。
使い方の詳しいところは、Pro-Q 4 のレビューでベース以外のトラックも含めて書きました。
コンプは Pro-C 3 です。
コンプの選び方は、コンプレッサーのおすすめの記事にまとめています。
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ぼやけたら、300Hz あたりと 80〜100Hz から下を削る
ベースがぼやけたときに大事なのは、削ることです。
私がまず見るのは、300Hz あたりで、ここは削ります。
もう1つが、いちばん下の帯域です。
ベースにローカット(ハイパス)をかけて、80〜100Hz あたりから下をがっつり削ることがあります。
「ベースの低いところを切ってしまっていいの?」と思うかもしれません。
でも、ある程度そこから削ってしまったほうが、ベースはスッキリして、かなりいい感じになることが多いです。
もちろん、ベースの旨味で最初は削ることに抵抗はありましたが、あるプロのエンジニアのやり方では、100以下を切る方法を紹介していたので、従いました。
もちろん数字は毎回同じではありません。
100Hz と決めずに、80Hz あたりにしたりと、曲に合わせて少しずつ動かしています。
上の Pro-Q 4 の画面でも、左端のカーブが Low Cut で、緑のバンドが 300Hz の近くを下げているところです。
サチュレーションは Trash や、昔のアナログ系のものにつなぐ
削って整えたあとは、サチュレーションで質感を足します。
よく使うのは iZotope の Trash です。

この画面は、MODO BASS 2 のトラックに Trash を挿して、Bass Enhancer 01 というプリセットを読み込んだところです。
Trash の使い方や、ベース以外での使い道は、Trash のレビューに書いています。
Trash のほかに、70〜80年代のアナログ系のものにつなぐこともあります。
サチュレーションの種類ごとの違いは、サチュレーションのおすすめの記事でまとめました。
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「聞こえない」はあまり無い。気になったらアナライザーで帯域を見る
正直に言うと、ベースが聞こえなくて困ることは、私にはあまりありません。
どちらかというと、結構前に出してしまうほうです。
それでも聞こえないと感じたときは、アナライザーで、ベースの帯域がどのくらい出ているかを見て調整します。
見ているのは、iZotope の Tonal Balance Control です。

画面の帯が目安で、曲の線がその帯の中にほぼ入っていれば、ベースは聞こえていると考えています。
今回の例では低い目ですが、いつもは上のギリギリぐらいにあることが多いです。
ちなみに Tonal Balance Control は、Ozone に入っているものではなく別の製品です。
Tonal Balance Control のことは、Ozone のレビューでも触れています。
最近では個別にトラックにつけて分析するのも面白いですね。
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まとめ:ベースは「削ってから、質感を足す」
ボカロのベースの音作りで、私がやっていることをまとめます。
- 音源は基本 MODO BASS 2。シンセベースは EDM 寄りの曲か、MODO BASS 2 に重ねるとき
- いつもの順番は、EQ で削る→コンプ→サチュレーション。アンプの後ろに EQ を置くこともある
- ぼやけたら、300Hz あたりを削る。80〜100Hz あたりから下をローカットして、曲に合わせて微調整
- サチュレーションは Trash や、70〜80年代のアナログ系のもの
- 聞こえないと感じたら、Tonal Balance Control で帯域を確かめる
ベースがぼやけて悩んでいるなら、何かを足す前に、まず削ってみてください。
それだけで、ベースはスッキリすることが多いです。
音を整える前の、フレーズの打ち込み方はこちらにまとめています。
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