マルチバンドコンプは、初心者ボカロPが最初に買うプラグインではない、と私は思っています。
私自身はダイナミック EQ から始めて、今もほとんどそれで足りているからです。
マルチバンドコンプは、音を低い帯域・真ん中・高い帯域のように分けて、帯域ごとに別々のコンプをかける道具です。
ダイナミック EQ は、EQ のつまみが音量に合わせて自動で動き、うるさい瞬間だけその帯域を下げる道具です。
どちらも「ある帯域だけを抑える」ことができるので、役割がかなり重なります。
それでも1本持っておきたいなら、私が選ぶのは SSL の G3 MultiBusComp です。
この記事では、Logic 純正の Multipressor、Ozone、FabFilter Pro-MB、SSL G3 の4つを、私が通ってきた順に比べます。
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私が抑えているのは、1000-4000Hzあたりの中域
ダイナミック EQ で抑えることが多いのは、1000-4000Hz あたりです。
曲の中では中域に一番楽器が集まるので、自然と中域を抑える場面が増えます。
下の画面ではピアノに Pro-Q 4 を挿し、耳につく帯域にダイナミックのバンドを1つ置いています。
普段は平らなままで、その帯域が大きくなった瞬間だけ下がります。

ベースの低い帯域を譲り合わせたいときは、ShaperBox のダッキングを使っています。
高いところや低いところだけを抑えたい、という用事は、ダイナミック EQ とダッキングでほぼ片づいているのが今の私です。
Pro-Q 4 の使い方の細かいところは、Pro-Q 4のレビューに書いています。
初心者にはダイナミックEQの方が楽だと感じる理由
私がダイナミック EQ を楽だと感じるのは、決めることが少ないからです。
帯域と、どこまで下げるかを決めれば、ひとまず形になります。
マルチバンドコンプは、帯域ごとにアタック・リリース・スレッショルド(どの音量からかけ始めるか)などを決めていきます。
帯域が3つなら、その設定が3組あるということです。
慣れていないうちは、どこを触ったから音が変わったのかが分かりにくいと思います。

ただ、マルチバンドコンプには、帯域ごとに下げるだけでなく持ち上げる設定もあります(Pro-MB なら Compress と Expand の切り替えと Range のつまみで選べます)。
ボーカルの低い帯域は抑えて、高い帯域は持ち上げる、といった細かい調整ができるのは、少し羨ましいところです。
ダイナミック EQ でも近いことはできるので、私は今のところそれで済ませています。
4つを表で比べる
帯域の数と、私の立ち位置をまとめました。
| 項目 | Logic Multipressor | Ozone のマルチバンド | FabFilter Pro-MB | SSL G3 MultiBusComp |
|---|---|---|---|---|
| 手に入れ方 | Logic Pro に付属 | Ozone に入っている | 単体で購入 | 単体で購入 |
| 帯域 | 最大4つ | Ozone の機能の1つ | 最大6つ(必要な所にだけ置く) | 3つ(LOW・MID・HIGH) |
| 私の立場 | 昔は使っていた・今は使っていない | 昔は使っていた・今は使っていない | 持っていない | 持っていない |
| 印象 | 画面が無骨で見にくかった | 手間の割に変わらなかった | 使いやすそう・通常価格は高い | 見やすく色がきれい |
| 向く人 | Logic ユーザー(追加の費用なし) | Ozone を持っている人(追加の費用なし) | EQ をまだ持っていない人・性能が欲しい人 | マルチバンドコンプを1本持っておきたい人 |
Logic の Multipressor:昔は使っていたが、画面が見にくかった
Logic Pro を使っているなら、マルチバンドコンプはすでに手元にあります。
チャンネルストリップのオーディオエフェクトから「Dynamics」→「Multipressor」で挿せます。
Apple の説明では、音を最大4つの帯域に分けて、帯域ごとに圧縮できるマスタリング向けの道具です。

私も、ダイナミック EQ のような道具をまだ持っていなかった頃は Multipressor を使っていました。
挿していたのはボーカルで、キックやスネア、ベースにも使っていた記憶があります。
ただ、画面がかなり無骨で、数字の欄が並ぶ作りは私には見にくく感じました。
Logic らしい画面ではあるので、慣れている人には気にならないかもしれません。
Logic を持っていれば、追加のお金をかけずにマルチバンドコンプがどんなものかを触ってみることはできます。
Logic のほかのコンプの使い分けは、Logicのコンプレッサーの種類の記事にまとめています。
Ozone のマルチバンド:手間の割に変わらず、今は使っていない
Ozone Advanced は持っていて、マスタリングでは今も使っています。
ただ、その中のマルチバンドの処理は、今は使っていません。
昔は、マスタリングの最後にピークを抑えるために使っていました。
でも、かけてもそこまで音が変わらず、設定の手間の方が大きかったので、やめてしまいました。
これは Ozone が悪いというより、私の曲の作り方では出番が少なかった、という話です。
iZotope 公式の、Ozone の新しいマスタリングの道具を紹介する動画です。
Ozone で実際に使っているモジュールは、Ozone Advancedのレビューに全部書き出しています。
FabFilter Pro-MB:EQを持っていない人には候補
Pro-MB は、FabFilter のマルチバンドコンプです。
帯域を境目で区切るのではなく、処理したい帯域にだけバンドを置く作りで、最大6つまで置けます。

私は持っていませんが、公式の動画を見て、使いやすそうだと感じました。
同時に、Pro-Q のダイナミック EQ があるなら要らないかも、とも思ってしまいました。
通常の価格で買うには、やはり高く感じます。
FabFilter 公式の紹介動画です。
向いているのは、まだ良い EQ を持っていない人や、マルチバンドコンプそのものが欲しい人です。
性能の高いものを最初から使いたい初心者ボカロPにも、ありだと思います。
ダイナミック EQ との違いと、Pro-MB の買い時は、こちらにまとめています。
FabFilter Pro-MBのセールと買い時|ダイナミックEQで足りているボカロPが考える、マルチバンドコンプが向く人と過去のセール
SSL G3 MultiBusComp:買うならこれ、見た目も見やすさも好み
G3 MultiBusComp は、SSL のバスコンプを3つの帯域に分けて使えるようにしたプラグインです。
LOW・MID・HIGH の3つが横に並び、帯域ごとにメーターが付いています。

公式の動画を見て、かなり良さそうだと思いました。
SSL らしい少し可愛らしい見た目で、色もきれいで、何より見やすいです。
かけると音が少し前に出てくる感じも受けました。
Solid State Logic 公式の解説動画です。
普通のコンプとしては、手持ちの FabFilter の方が好みです。
ただ、マルチバンドコンプは普通のコンプとは別の道具なので、まだ1本も持っていない人が買う理由にはなると思います。
私なら、5,000円前後であれば買ってもいいと感じます。
同じ SSL の X-DynEQ と合わせた話は、X-DynEQとG3 MultiBusCompの記事に書いています。
まとめ:まずダイナミックEQ、欲しくなったら見やすいものを1本
- 初心者ボカロPは、マルチバンドコンプより先にダイナミック EQ で十分。決めることが少なく、楽
- 抑えたい帯域は、4000Hz あたりの中域が多い
- Logic の Multipressor は追加の費用なしで触れるが、私には画面が見にくかった
- Ozone のマルチバンドは、私の使い方では手間の割に変わらなかった
- Pro-MB は使いやすそうだが、ダイナミック EQ があれば私には要らない
- 1本買うなら、見やすくて音が少し前に出る SSL G3
ダイナミック EQ から始めたい人に。
FabFilter Pro-Q 4 を Plugin Boutique で見る →
マルチバンドコンプを、見やすいものから1本持っておきたい人に。
🔥 セール中 ¥4880(通常 ¥17250)〜11/1まで:SSL G3 MultiBusComp を見る →
良い EQ をまだ持っておらず、性能の高いマルチバンドコンプが欲しい人に。
FabFilter Pro-MB を Plugin Boutique で見る →







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