D16 PunchBox 2は買い?キックだけを作る音源を、EQで20dB上げてごまかしていたボカロPが調べてみた

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D16 PunchBox 2 は、キック(バスドラム)の音だけを作るための音源です。

公式によると、最初から入っているプリセットは1,119個あります。

 

ドラムの音源はたくさんありますが、キック1つにここまで絞った製品は初めて見ました。

調べてみて、1万1,500円くらいなら正直買ってもいいと思った一本です。

 

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PunchBox 2は、音を重ねてキックを1から作る音源

PunchBox 2 は、ポーランドの D16 Group が作っている、キック専用のソフト音源です。

普通のドラム音源のように「キットを選んで叩く」のではなく、キックの音を自分で組み立てるための道具です。

 

D16 PunchBox 2 の画面(左からレイヤー1〜3・キック・エフェクト4つ・モノベース/リミッター。D16 Group 公式より)

 

画面の左に、サンプルを読み込む「レイヤー」が3つ並んでいます。

その右が、キックの芯になる「KICK」の部分です。

 

ここで作った音を、ビットクラッシャー・ひずみ・フィルター・EQ の4つのエフェクトに通します。

最後に、低音をモノラルにまとめる Mono Bass と、音量の上限を決めるリミッターが付いています。

 

2026年の夏に出た第2世代で、前の PunchBox からウェーブテーブルという音の出どころが足されました(Synth Anatomy)。

Mac では Logic で使える AU 形式にも対応していて、Apple シリコンでも動きます(D16 Group 公式)。

 

 

見た目は、わざと古くしたかっこよさ

動画と画面を見て、まず思ったのは見た目がめちゃくちゃいいということでした。

古い機材をそのまま持ってきたというより、わざと汚して古めかしく見せている感じがあって、そこが面白いです。

 

画面を裏返すと、機材の背面のようなページまであります。

ここは飾りではなく、レイヤーやキックの音を別々の出力に送るための設定画面です。

 

PunchBox 2 の裏側の画面(レイヤーごとの出力先を選べる。D16 Group 公式より)

 

ケーブルやファンの作り込みもリアルで、遊び心があるように見えます。

キックの音を作るだけの道具に、ここまで手をかけているのがちょっと可笑しくて、好きなところです。

 

909・808・606にサンプル、ウェーブテーブルまで選べる

キックの芯になる部分は、5つの中から音の出どころを切り替えられます。

 

PunchBox 2 のキックの音の出どころ(606・808・909・サンプル・ウェーブテーブル。D16 Group 公式より)

 

909・808・606 は、昔のリズムマシンのキックの回路をまねた音です(Plugin Boutique の製品説明)。

D16 Group は、808 系の Nepheton や 909 系の Drumazon も作っている会社なので、このあたりは得意分野です。

 

サンプルを選ぶと、録音された音をもとにキックを作れます。

公式では、最初から1,505個のサンプルが入っているとされています。

 

いちばん新しいのが、ウェーブテーブルです。

 

PunchBox 2 のウェーブテーブルの画面(D16 Group 公式より)

 

シンセのように波の形を切り替えて、昔のリズムマシンにはない電子的なキックを作るための部分です。

公式では66種類の波形が入っていて、真ん中の赤いつまみで波の位置を動かします。

 

選択肢が多いので、「どの時代のキックにするか」から決められるのは強みだと思います。

 

レイヤーとエフェクトの順番を入れ替えられるのが面白い

いちばん面白いと思ったのは、音を重ねる部分と、エフェクトの通り道を組み替えられるところです。

 

キックの芯の音に、レイヤー1〜3のサンプルを重ねられます。

たとえば、アタックの硬い音・胴の音・低い余韻を別々に用意して、1つのキックにまとめる使い方ができそうです。

 

エフェクトは4つを好きな順番に並べ替えられ、つなぎ方も10通りから選べます(D16 Group 公式)。

 

PunchBox 2 のエフェクトのつなぎ方10通り(D16 Group 公式より)

 

見ていて、「レイヤー1・2・3をどう組み合わせるんだろう」とは思いました。

迷ったときはプリセットから選べますし、ボタン1つで新しい音を作るランダム機能もあります。

 

できた音は、ドラッグするだけでオーディオファイルとして書き出せます。

作ったキックを、手持ちのドラム音源にサンプルとして読み込む使い方もできます。

 

 

キックをEQで20dB上げていた私には、ここが強みに見えた

私は初期の頃、キックがうまく作れず、EQ で低域を20dB くらい上げて強引に前に出すような、おかしなことをしていました。

低音を上げすぎて失敗した話は、ミックスの低音が足りない・出過ぎるときの直し方にも書いています。

 

そんな私から見ると、キックを1から作れることは、それだけで強みになると感じました。

 

私の曲で、いちばん大きく鳴る音はキックです(プロでも意見が分かれますが、理想はキックと言われています)。

それくらい、キックの音は重要だと思っています。

 

ちなみに、同じキック専用の BigKick は、音が好みに合わず見送っていました。

PunchBox 2 は、見た目も中身も「やってみたい」と思えた点で、私の中では評価が逆になっています。

 

速いテンポのボカロ曲で、キックが埋もれるときに

テンポの速い曲を作っていると、キックが埋もれると感じることがあります。

速い曲では次のキックがすぐ来るので、音が重なってしまい、コンプなどで調整が必要になります。

 

そういうときに、前に出るキックを最初から作れそうなのが PunchBox 2 です。

埋もれやすいキックを少し尖らせて目立たせるのは、ぜひやってみたいことです。

 

キックを自分で作れるなら、サビとサビ以外でキックを分けることもできます。

サビだけ硬くて太いキックにして、A メロは少し軽くする、といった作り分けです。

 

私は音楽にあまり時間をかけられないので、細かい作業は好きではありません。

それでも、キックをシンセで作り込むのは面白そうだと思いました。

 

XO・Addictive Drums 2と一緒に使うなら、キックだけ任せる

今の私のドラムは、Addictive Drums 2とXOが主役です。

もし PunchBox 2 を入れるなら、この2つはキック以外の音に使い、キックだけを PunchBox 2 で作る形にすると思います。

 

気になったら、Snapback でアタックを少し足すと思います。

Cableguys Snapbackのセールと買い時|キックが前に出ないボカロPが買って、使う回数が減った今思うこと

 

PunchBox 2 は裏側の画面で、レイヤーごとに出力を分けられます。

キックの芯とアタックを別々に Logic に送って処理する、といった使い方もできそうです。

 

1万円台前半なら買っていい、でも今の私は後回し

元の値段が2万円近いキック専用の音源というのは、ちょっと面白い立ち位置だと思います。

 

私は結構好きで、やれることも多そうなので、触ってみたい音源です。

1万1,500円くらいなら、正直買ってもいいと思っています。

 

ただ、キックは最近少しずつ作れるようになってきました。

キックだけにお金を払うのはもったいない気もして、今の私にとっては後回しにしています。

 

向いているのは、キックにこだわりがある人や、速い曲でキックが埋もれて困っている人です。

逆に、手持ちのドラム音源のキックで満足している人は、急いで買わなくていいと思います。

 

同じ会社のほかの製品のセールは、D16 Groupのセールはいつ?とD16 Repeaterは買い?にまとめています。

 

過去のセール

  • 2026年6〜7月:発売記念で €99→€79(Synth Anatomy)
  • 2026年10月26日〜11月2日:Plugin Boutique で ¥11,517(40%オフ・通常¥19,195・11月2日まで)

 

まとめ

PunchBox 2 は、909・808・606・サンプル・ウェーブテーブルを重ねて、キックを1から作る音源です。

見た目のかっこよさと、レイヤーやエフェクトの順番を組み替えられる面白さが光っていました。

 

キックにこだわりたい人、速い曲でキックが埋もれる人に。

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キックのアタックを手早く足したい人に。

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ABOUTこの記事をかいた人

Logic Pro で音楽制作をしています。インスト曲とボカロ曲を作りながら、DTM・プラグイン・ミックスで実際に試して分かったことを書いています。