打ち込みのギターにかける EQ は、私の場合、足すより削るほうがずっと多いです。
コンプも弱めで、ギターの弾き方のニュアンスを残す程度にしかかけません。
この記事では、UJAM の Virtual Guitarist や Ample Guitar のようなギター音源で打ち込んだギターに、何をどの順に挿し、EQ でどこを削り、コンプをどのくらいかけているかを、私の Logic Pro の画面で順番に書きます。
最後に、左右に広げるときの失敗と、歌声合成の声とぶつかったときの直し方も入れました。
EQ は FabFilter の Pro-Q 4 を使っています。
FabFilter Pro-Q 4 を Plugin Boutique で見る →
挿す順番:EQ、コンプ、サチュレーション、必要ならもう一度 EQ
考え方としての順番は、EQ で整える、コンプで軽くまとめる、サチュレーションで質感を足す、の3つです。
最後に気になるところが残れば、もう一度 EQ で直します。
実際のチャンネルは、次のようになっています。

左のチャンネルは、音源の VG-IRON2(Virtual Guitarist IRON 2)のあとに、Pro-Q 4、Pro-C 3、UADx 610-A、ChromaGlow、Amp、SpecCraft の順に挿しています。
サチュレーションにあたるのが、UADx 610-A と Logic 純正の ChromaGlow です。
「Amp」は、Logic に入っているギターアンプの Amp Designer です。
純正のアンプの使い方は、Logic純正のアンプでギター音源の音を作るにまとめています。
右のチャンネルは、ギターをまとめるバス(Bus 31)で、ここにも Pro-C 3 を1つかけています。
ギター全体を軽くまとめて、統一感を出すためのコンプです。
ChromaGlow の私の設定は、LogicのChromaGlowの使い方に書いています。
EQ:歪んだギターは200・500・1k・3kHzあたりを少しずつ削る
ギターでいちばん気になるのは中域です。
ギターはノイズっぽい成分が多く、そのままだとほかの音より強く聞こえやすいので、削る方向で整えます。

画面は、歪んだギターのトラックの Pro-Q 4 です。
低いところをローカットで落とし、200Hz、500Hz の手前、1kHz、3kHz のあたりを数 dB ずつ削っています。
手順としては、次のように進めています。
- ローカットで、ギターに要らない低いところを落とす
- 200Hz・500Hz・1kHz・3kHz あたりにポイントを置く
- ほかの楽器と一緒に鳴らしながら、少しずつ下げて、ぶつからない深さを探す
ここの数字はあくまで目印です。
最後は耳で聞きながら、場所も深さも変えています。
ギターを目立たせたいときは、4kHz より上を少しだけ上げることもあります。
ただ、私の曲ではギターを主役にしないので、上げるより削るほうが多いです。
コンプ:リダクション−5、レシオ2.5くらいの弱めでかける
ギターのコンプは、ピアノと同じく弱めにしています。 目安は次のくらいです。
- ゲインリダクション:−5dB くらい
- レシオ:2.5 くらい
- アタック:50ms くらいの遅め(弾いた瞬間のニュアンスを残すため)
- リリース:早め

画面は、同じギターのトラックに挿した Pro-C 3 です。
プリセットの Amp Bite を元に、Vari-Mu のモードで使っています。
上の数字は、つまみを合わせるときの目安です。
音が変にならない程度にとどめ、かけすぎて弾き方の強弱が消えないようにしています。
Pro-C 3 でなくても、Logic 純正の Compressor でも同じ考え方でかけられます。
FabFilter Pro-C 3 を Plugin Boutique で見る →
共鳴が気になるときは、最後に SpecCraft
EQ とコンプのあとでも、特定の音だけが響いて耳に残ることがあります。
そういうときは、チャンネルの最後に SpecCraft を挿しています。
SpecCraft は、響きすぎている周波数(共鳴)を見つけて、そこだけを抑えるプラグインです。

画面の下の Profiling で、ギターの音を取り込んだ状態(Captured)にして使っています。
SpecCraft を実際に使ってみた感想は、SpecCraftレビューに書きました。
左右に広げる:パンだけでなく、MIDIの位置とアンプも変える
ギターは、左右に振ることが多いです。
ただ、パンを左右に分けるだけでは足りません。
前に、右と左で同じトラックをそのまま使ってしまい、左右に振ったのに、まんなかで鳴っていたことがあります。
同じ音が左右から同時に鳴ると、広がらずにまんなかに集まって聞こえます。
今は、左右で音に差をつくるために、次の3つをしています。
- パンを左(L)と右(R)に振る
- 片方の MIDI の位置を、ほんの少しずらす
- 左右でアンプを変えて、音色にも差をつける

画面は、左右のギターをオーディオにしたところです。
MIDI の位置をずらしたので、guitar R と guitar L の波形の位置が少しずれています。
楽器ごとの左右の置き場所と、パンでやらかした失敗は、こちらの記事にまとめています。
ボカロ曲のパン(定位)の決め方|ミックスを待たず、打ち込みながら左右に置くボカロPの楽器ごとの置き場所と、やらかした2つの失敗
歌声合成の声とぶつかったら、削るのはギターのほう
ボカロ曲では、主役は歌声合成の声です。
ギターと声がぶつかったら、当然ギターのほうを削ります。
削るのは、ギターのミッド(中域)です。
ギターの中域を少し下げて、ボーカルの通り道を作るイメージで EQ を動かしています。
上の EQ の節で中域を何か所も削っているのも、ギターを主役にせず、声のための場所を空けておくためです。
画面のギターの音源は、UJAM の Virtual Guitarist IRON 2 です。
IRON 2 の使い心地はVirtual Guitaristのレビューに書いています。
Ample Guitar で打ち込んだギターでも、やることは同じ
Ample Guitar のように、1音ずつ打ち込むタイプのギター音源でも、挿す順と削る考え方は変わりません。
EQ で中域を整え、コンプは弱めにし、左右は MIDI の位置とアンプで差をつけます。
Ample Guitar TC については、Ample Guitar TCのレビューで詳しく書いています。
まとめ:数字は目印にして、ギターは声の邪魔をしない形に整える
打ち込みのギターは、EQ で中域を少しずつ削り、コンプは弱めにかけて、ニュアンスを残しながらまとめます。
左右に広げるときは、同じトラックを両側に置かず、MIDI の位置とアンプで差をつけます。
200Hz・500Hz・1kHz・3kHz や、レシオ 2.5 といった数字は、あくまで始めるときの目印です。
曲ごとに耳で聞きながら、歌声合成の声がいちばん聞こえる形を探してみてください。
削る場所を、目で見ながら細かく決めたい人に。
FabFilter Pro-Q 4 を Plugin Boutique で見る →
ギターのニュアンスを残したまま、弱めのコンプでまとめたい人に。
FabFilter Pro-C 3 を Plugin Boutique で見る →
EQ で直しきれない、耳に残る響きを抑えたい人に。
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