iZotope Photonは要る?LogicのStem Splitterとの違い|精度に不満だったボカロPが、曲をパートに分けるソフトを調べてみた

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Suno で作った曲を、Logic Pro の Stem Splitter でパートに分けたことがあります。

分けた音の精度は低く、Logic の機能で完璧に分けるのは無理だと感じました。

 

では、iZotope が新しく出したパート分けのソフト Photon なら、その不満は消えるのか。

持っていない私が、公式の情報と動画で調べました。

 

先に答えを書くと、Suno の曲を直したい人、AI で作曲している人には推せるソフトです。

ただ、パートを分ける作業をほとんどしない私自身には要りません。

 

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Photon は、できあがった曲をパートごとの音に分けるソフト

Photon は、1本に混ざった曲の音を、ボーカル・ドラム・ベースなどのパートごとに分けるソフトです。

このパートごとの音を「ステム」と呼ぶので、ステム分離のソフトとも言われます。

 

Plugin Boutique の説明では、12の機械学習モデルを使い、処理は自分のパソコンの GPU で行います。

曲をネットにアップロードせずに分けられます。

 

iZotope Photonの画面。曲の波形がパートごとに色分けされ、右の欄でモデル「Music – 4 Stems」を選び、Voice・Bass・Drums・Otherの音量をスライダーで上げ下げできる

 

画面の右側でモデルを選び、分けたパートの音量をスライダーで上げ下げします。

上の画面では、ボーカル(Voice)・ベース・ドラム・その他の4つに分けています。

 

パート分けのほかに、声に混ざった雑音や響きを取る機能、最大6人の話し声を1人ずつ分ける機能も入っています。

新しいモデルは、あとから Model Manager という画面で追加されていく仕組みです。

 

iZotope公式のPhotonの紹介画像。声の波形(緑)と、取り除く雑音の波形(青)が色分けされている

 

全体の流れは、iZotope 公式の紹介動画で見られます。

 

 

Logic の Stem Splitter で分けたとき、精度に不満が残った

Logic Pro には、Stem Splitter というパート分けの機能が最初から入っています。

私が使ったのは、Suno の混ざった曲を編曲し直したかったときでした。

 

Logic ProのStem Splitterの画面。プリセット「すべてのステムを分割」で、ボーカル・ドラム・ベース・ギター・ピアノ・その他にチェックが入り、下にサブミックスの欄がある

 

Logic では、この画面で取り出したいパートにチェックを入れて分けます。

手軽で、追加のお金もかかりません。

 

ただ、分けた音を聞いたときの印象は「精度が悪い」でした。

軽く試すなら Logic で十分ですが、きれいに分けたいときには物足りなさが残ります。

 

Logic での手順や、Suno の曲を分けたときの話は、こちらにまとめています。

LogicのStem Splitter(ステムスプリッター)で完璧に分けるのはできない?|Sunoの曲を分けて編曲したボカロPが、軽く試すなら十分と思う理由

 

Photon は、公式動画を見た限り性能がかなり良さそう

Photon の公式動画を見た限りでは、分ける性能はかなり良いと感じました。

すべての動画で同じことをしているわけではないので言い切れませんが、見た動画の範囲では性能も良さそうでした。

 

iZotope公式のPhotonの紹介画像。1本の曲が、色の違う4本の波形(パート)に分かれている

 

いいと思ったのは、分けたあとにドラムだけ、ボーカルだけを上げ下げできるところです。

できあがった曲のバランスを、元のデータに戻らずに直せます。

 

ドラムを、キック・スネア・ハイハットまで分けられる

Photon には、ドラムの音をさらに細かく分けるモデルもあります。

海外の音楽メディア Production Expert の紹介では、キック・スネア・ハイハット・タム・シンバルの5つに分けられるとされています。

 

Logic の Stem Splitter では、ドラムは1本のパートとして出てきます。

キックだけ、スネアだけを上げるといった直しまでできるのは、かなり有用だと思いました。

 

ドラムを分ける様子は、こちらの公式動画で見られます。

 

 

Logic の Stem Splitter と Photon の違い

公式の情報で分かる範囲を、表にまとめました。

 

項目Logic の Stem SplitteriZotope Photon
分けられるパートボーカル・ドラム・ベース・ギター・ピアノ・その他ボーカル・ドラム・ベース・その他の4つ
ドラムの扱いドラムとして1本キック・スネア・ハイハット・タム・シンバルに分けるモデルあり
ほかの機能パート分けだけ雑音や響きを取る・話し声を1人ずつ分ける
使い方Logic の中で使う単体アプリとARAプラグイン
お金Logic に付いている有料

 

分けられるパートの数だけなら、Logic の方が多く見えます。

Photon の違いは、ドラムを細かく分けられることと、声の雑音取りまで1本でできることです。

 

Logic で使うときの注意

Plugin Boutique の説明では、ARA で使える DAW の例として Pro Tools・REAPER・Cubase などが挙がっていて、Logic Pro の名前はありません。

ARA は、DAW のトラックの上で直接ソフトを動かせる仕組みです。

 

Logic で使うなら、単体アプリで分けて書き出し、その音を Logic に読み込む形が確実です。

また、Mac で使えるのは Apple シリコンの Mac で、macOS 14 以降が必要です。

 

マスタリングを終えた曲で、ボーカルだけ少し上げたいとき

私の曲づくりでは、パートを分ける作業はほとんどありません。

自分で作った曲なら、元のデータに戻って直せるからです。

 

私が使うとしたら、マスタリングまで終えたあとに、ボーカルだけ 0.5dB〜1dB 上げたいときくらいです。

マスタリングをやり直すのが面倒なときに、完成した音のボーカルだけを少し持ち上げる使い方です。

 

それでも、基本的には使うことがないと思っています。

なので、私自身は Photon を買う予定はありません。

 

Suno の曲を編曲し直したい人には、すごくいいソフト

一方で、Suno で曲を作ったことがある人には、Photon はすごくいいと思いました。

Suno の曲で、ボーカルだけ上げたい、ドラムを上げたいと思う場面はあるはずです。

 

そのパートの音量だけを上げられるのは、とても価値のあることだと思います。

キック・スネア・ハイハットまで分けられれば、ドラムの直しもしやすくなります。

 

なので、AI で作曲している人であれば、私は Photon を推します。

Suno の曲を自分の曲として作り込んでいく流れは、Suno のあとに自分の手で作り始める話の記事にも書いています。

 

安くはないが、買う価値はあると思う

Photon は、決して安いソフトではありません。

それでも私は、買う価値のある値段だと思っています。

 

これから AI で作曲する人が増えて、その編曲が楽になるなら、なおさら役に立つソフトです。

iZotope の製品をすでに持っている人には、安く乗り換えられるクロスグレード版も Plugin Boutique で用意されています。

 

iZotope のほかの製品のセールの来かたは、iZotope のセールの記事にまとめています。

 

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まとめ:軽く試すなら Logic、本気で直すなら Photon

パートを分けて少し試したいだけなら、Logic の Stem Splitter で十分です。

精度に不満があり、Suno や AI で作った曲をきちんと作り直したいなら、Photon が候補になります。

 

私のように自分の曲を元のデータから直せる人は、急いで買わなくて大丈夫です。

 

Suno や AI で作った曲を、パートごとに直して作り込みたい人に。

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ABOUTこの記事をかいた人

Logic Pro で音楽制作をしています。インスト曲とボカロ曲を作りながら、DTM・プラグイン・ミックスで実際に試して分かったことを書いています。