有名なボカロPと同じプラグインをそろえたら、自分の曲も近づくのか。
機材の一覧を見ていると、つい考えてしまうことです。
私は、全部をそろえるお金がなかったので、誰かの環境をそっくり真似したことはありません。
それでも、いま常用しているFabFilterは、SonicWireに載っていたボカロPの記事を読んで、真似して買ったものだったと思います。
有名な人の道具をきっかけに、自分の定番が決まることは、実際にあります。
今回取り上げるのは、「テトリス」の柊マグネタイトさんです。
本人がCubaseの連載やインタビューで、使っているプラグインや処理の順番をかなり具体的に話しています。
この記事では、その内容をまとめて、Logicで作っているボカロPが真似するならどの付属プラグインになるかを並べます。
最近の制作環境に入っているシンセのうち、Plugin BoutiqueにあるAvenger 2の価格は、先にここから確認できます。
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柊マグネタイトさんと、今回使った出典
柊マグネタイトさんは、重音テトや初音ミクの曲を出しているボカロPです。
いちばん知られているのは、重音テトSVが歌う「テトリス」だと思います。
制作の話は、次の4つから拾いました。
どれも本人が話しているものか、メーカーの公式ページです。
- サウンド&レコーディングの連載「解説:柊マグネタイト」(2022年9月〜12月・全4回)
- マウスコンピューター「DAIV meets 柊マグネタイト」(2026年)
- plug+のインタビュー(2023年6月)
- ヤマハ(Steinberg)公式YouTubeのインタビュー動画(2022年11月・この記事の後半に貼っています)
連載は2022年、DAIVのページは2026年のものです。
4年のあいだに、使っているものが少し変わっています。
なので、ここからは新しいほうから順に書きます。
2026年の制作環境:Cubase Pro 14に、シンセを4つ
DAIVのページで、最近の曲の制作環境として挙げているのは次のものです。
- DAW:Cubase Pro 14
- シンセ:Nexus 4、Avenger 2、Kontakt、Cubase付属のHALion
- 歌声:重音テトSV(その曲では英語で歌わせている)
- パソコン:Windows 11のDAIV
エフェクトは、具体的な製品名までは出していません。
Auto-Tuneのようなピッチ補正、EQをいくつか、空間系、マスタリング系を重ねている、という話です。
編曲からミックス、マスタリングまでを1つのプロジェクトの中で進めるので、処理が重くなりやすいとも話しています。
その曲のミックスはかなり苦戦したそうで、ミックス講座のような動画を見ながら、初心に返って見直したとも話しています。
シンセのmidをしっかり出す、ハイカットを入れる、EQを細かく調整する、といったところでまとめていったそうです。
重音テトSVは、私も使っている声
歌声の重音テトSVは、私もSynthesizer V 2 Proで使っています。
最初の1曲はミクでしたが、いまSynthVで使っているのはテトです。

ミクとテトのどちらで始めるかは、初音ミクと重音テト、最初の1曲はどっちの声で出すかに書きました。
テトの声を使うには、Synthesizer V Studio 2 Proと、テトのボイスデータが必要です。
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2022年の連載:Cubase付属のプラグインだけでミックスを仕上げる
2022年のサウンド&レコーディングの連載では、Cubase Pro 12で作曲からマスタリングまでを順に解説しています。
Cubaseの連載なので、使っているのはCubaseの付属プラグインです。
ただ、そのおかげで有料のプラグインを持っていなくても、同じ順番をそのまま試せる内容になっています。
トラックの処理は「削る→まとめる→整える→響かせる」
ミックスでは、まずトラックを高域・中域・低域・リズムの4つのグループに分けています。
そのうえで、どのトラックにもだいたい同じ順番でプラグインを挿しています。
- StudioEQ:いらない帯域を削る(シンセなら110Hz以下と、900Hz〜1kHzあたり)
- Vintage Compressor:音をまとめる(INPUTでかかり具合、MIXで量を調整)
- StudioEQ(2回目):コンプで盛り上がった中域を直し、高域を足す
- RoomWorks:リバーブ(ふだんは1〜3%、目立たせたい音だけ30%くらい)
キックとベースには、最初のEQの削りは基本的に入れていません。
パンは、メインボーカルと低音を真ん中に置き、コードやフレーズは真ん中から外しています。
全体を通して、必要以上にエフェクトをかけない、という考え方です。
ボーカルとマスタリング
ボーカルは、まず波形を切ってタイミングを直し、つなぎ目にクロスフェードをかけます。
そのあとVariAudioで、ピッチ補正をいったん100%かけてから、必要なところだけ手で直しています。
マスタリングは、次の順番です。
- StudioEQ:高域と低域を持ち上げる
- MultibandCompressor:帯域ごとに分けて、曲全体のノリをそろえる(Cubase Proのみ)
- Stereo Enhancer:広がりを足す(WIDTHは130〜150)
- Maximizer:OPTIMIZEで最後の音圧を決める
連載のころの話をもっと詳しく聞けるのが、ヤマハ(Steinberg)公式のインタビュー動画です。
制作環境の紹介や、30分の即興作曲の実演が入っています。
このYouTubeおもろいんですよね。
柊さんが短2度の不協和音を入れるんですが、すかさずヤマハの方が、それは「不協和音が」みたいな話をするのですが、そうすると柊さんが「ギターでもソロでチョーキングとか隣の音を」というのですが、ヤマハの方が「いや、それは同時ではなく隣の音に動いていくから不協和音じゃない」みたいに言うところがあります。
柊さんは、マジで音楽をほとんど知らずにゲーム感覚で作っているんですよね。
フォローでヤマハの方も、「自分が古い人間だから」みたいに言うんですが、本当に柊さんは音楽知らずに作っているのがわかって面白いですね。
確か4本ぐらい動画はあったのでおすすめですね。
し正直私も真似して、わざと濁らしたりしていましたが、正直きもい音になったのでやめましたね。
人の作曲の話は面白いですね。
Logicで同じ順番を真似するなら
柊マグネタイトさんはCubaseなので、Logicの話は出てきません。
ここから先は、Logicの付属プラグインで、役割が近いものを並べたものです。
| 場面 | 連載で使っているもの(Cubase) | Logicの付属で役割が近いもの |
|---|---|---|
| いらない帯域を削る・整える | StudioEQ | Channel EQ |
| 音をまとめる | Vintage Compressor | Compressor(Vintage VCA・FET・Optoのモデルがある) |
| リバーブ | RoomWorks | ChromaVerb/Space Designer |
| ボーカルのピッチ補正 | VariAudio | Flex Pitch |
| 帯域ごとにまとめる | MultibandCompressor | Multipressor |
| 広がり | Stereo Enhancer | Stereo Spread |
| 最後の音圧 | Maximizer | Adaptive Limiter/Limiter |
表にすると、Logicにも同じ役割の付属プラグインがひととおりそろっていることがわかります。
私がLogicの付属だけでボーカルのチェーンを組むと、こうなります。

Channel EQで削って、Compressorでまとめる、というところまでは連載の順番と同じです。
チェーン全体の中身は、ボカロのボーカルチェーンの記事に書いています。
リバーブは、Logicだと重さに気をつける
連載ではRoomWorksを、ほとんどのトラックに薄くかけています。
Logicで同じことをするならChromaVerbが近いのですが、私が使ったときは、数を挿すとLogicが重くなりました。

私は昔、センドを知らずにトラックへ直接リバーブをかけて、音を濁らせたことがあります。
今はセンドで送るようにしていて、そのほうがリバーブの数も少なくて済みます。
リバーブの選び方は、リバーブのおすすめにまとめています。
マスタリングの最後は、Limiterでも足りる
最後の音圧を決めるMaximizerの役は、Logicなら付属のLimiterかAdaptive Limiterです。
私も最初は付属のLimiterを使っていました。
つまみが少ないぶん、最初はこの画面で何を見ればいいのかわからなかったのを覚えています。

今のマスタリングは、iZotopeのOzoneでやっています。
ただ正直に言うと、リミッターなどがあれば十分で、Ozoneの機能を全部使っているわけではありません。
連載の4ステップくらいの処理なら、付属で同じ形が作れます。

Ozoneをどう使っているかは、Ozoneのレビューに書きました。
iZotope Ozone 12 を Plugin Boutique で見る →
2026年に足しているシンセを、Logicユーザーが見るなら
連載では、Cubase付属のHALion Sonic SE3と、サンプラートラックで音を作っていました。
2026年の環境では、そこにNexus 4、Avenger 2、Kontaktが加わっています。
NexusはreFXのシンセで、プリセットを選んですぐ鳴らす使い方が中心の音源です。
今は次の版のNexus 5が出ていて、Plugin Boutiqueでは扱いを確認できませんでした。
KontaktはNative Instrumentsのサンプラーで、ほかのメーカーの音源を鳴らす土台にもなります。
Avenger 2はVengeance Soundのシンセで、シンセの音色に加えて、ドラムや拡張の音までまとめて入っています。
実は、私が次に欲しいシンセもAvenger 2です。
ふだんはPigmentsで困っていないのですが、シンセ以外の音までまとめて手に入る点にひかれています。
その話は、初心者ボカロPのシンセおすすめに書きました。
Logicには付属のAlchemyもあるので、シンセを足すのは、付属で足りなくなってからで十分です。
VPS Avenger 2 を Plugin Boutique で見る →
有名なボカロPの真似は、どんどんしていいと思う
最初に書いたとおり、私がFabFilterを買ったのは、ボカロPの記事を真似したのがきっかけです。
その人の環境を全部そろえたわけではありません。
それでも、そのとき真似して買ったFabFilterは、今では私のミックスに欠かせないプラグインになりました。

なので、始めたばかりの人が有名なボカロPの機材を真似するのは、すごくいいことだと思っています。
柊マグネタイトさんの場合は、連載の順番がCubaseの付属だけで書かれているので、Logicでもお金をかけずに同じ順番を試せます。
道具を買うのは、そのあと「ここが足りない」とわかってからでも遅くありません。
有名なボカロPの使用プラグインは、サツキさんの回も書いています。
この記事で出てきたものの価格を確認する
紹介した中でPlugin Boutiqueにあるものと、公式サイトで買うものを並べました。
VPS Avenger 2 を Plugin Boutique で見る →
Native Instruments Kontakt 8 を Plugin Boutique で見る →
Synthesizer V Studio 2 Pro を Plugin Boutique で見る →
FabFilter Pro-Q 4 を Plugin Boutique で見る →
iZotope Ozone 12 を Plugin Boutique で見る →







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