オーケストラ風のボカロ曲で、太鼓やシンバルだけ専用の音源を足す必要はあるのか。
打楽器だけを集めた音源を2本見比べて、私の答えはどちらも今は買わないでした。
比べたのは、Vir2 Instruments の Elite Orchestral Percussion と、Big Fish Audio の London Orchestral Percussion です。
どちらも、大太鼓・ティンパニ・スネア・シンバル・ゴングといったオーケストラの打楽器だけを収録した Kontakt 用の音源です。
私はふだん、EastWest の Hollywood Fantasy Orchestra と Opus で打楽器を鳴らしています。

画面は、Opus を挿したティンパニのトラックに MIDI を打ち込んだところです。
その手持ちと比べて何が足りて、何が足りないのかを書いていきます。
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手持ちの打楽器に足りないのは、音質より「品揃え」
Hollywood Fantasy Orchestra の中で、私がいちばん使うのが Percussion です。
太鼓もシンバルもそろっていて、万能に使えます。

Opus で開くと、Fantasy の Percussion には17の楽器が並びます。
音質はまあまあいいので、そこに不満はありません。
困るのは、自分が欲しい楽器が無いときです。
もう少し楽器の数が増えて、品揃えがあったら嬉しいと感じています。
それに、ボカロ曲ではリアルなオーケストラだけでなく、飛び道具のような音も使いたくなります。
打楽器の専用音源を見るときも、知りたいのは「音がいいか」より「手持ちに無い音がどれだけ入っているか」でした。
Vir2 Elite Orchestral Percussion:数は多いが、音が古く感じた
Elite Orchestral Percussion は、250種類以上・19GBの打楽器を収録した音源です。
大太鼓・スネア・あらゆる種類のシンバル・チャイム・ゴング・マレット・ティンパニのほか、民族楽器や効果音まで入っています。

公式の説明では、叩くたびに音程・タイミング・音量をほんの少しずつ揺らす Humanize の機能があります。
同じ音の連打が機械っぽく聞こえないようにするための仕組みです。

ほかにも、フラムやロールなどの奏法をボタンで鳴らせるほか、1つの楽器に25個までリズムのパターンを作れます。
パターンは曲のテンポに合わせて鳴ります。

響きは EZRoom というメニューで、教会やホールなど50種類以上の空間から選べます。
機能は一通りそろっています。
ただ、公式の動画を聞いた私の印象は、ちょっと古すぎて今はきついでした。
どことなく古くて、シンセサイザーのような感じがします。
この音で今の値段だと、私には高すぎるので、いりません。
London Orchestral Percussion:音はきれい、でも楽器の数が見えない
London Orchestral Percussion は、ホールで録った打楽器を集めた音源です。
部屋の響きはほどほどに入っていて、ほかの音源にも混ぜやすい作りだと説明されています。

収録は、大太鼓・ティンパニ・タム・スネアからシンバル・ゴング、音程のある打楽器、小物の打楽器までです。
リズムを組めるシーケンサー、シンバルのクレッシェンドを作る機能、音程のある打楽器用のアルペジエーターが入っています。
真ん中の大きなつまみは Crush で、回すほど音に迫力と癖が足されます。
動かすには Kontakt 7 Player か Kontakt 7 が必要です。
動画で聞いた London は、音の質としてはかなりいいと感じました。
画面が見やすく、Kontakt の作りなので扱いも簡単そうです。
シーケンサーが付いているところは面白く、リズムを調整しやすそうだと思いました。
気になるのは、実際に楽器がどのくらい入っているのか分からないことです。
Plugin Boutique の説明にも楽器の数は書かれておらず、インストール後の容量は約1.1GBとあります。
容量だけで楽器の数は決まりませんが、19GBの Vir2 と比べるとかなり小さい音源です。
使いやすさも、実際に触ってみないと分かりません。
2万円なら、私はいらないと考えています。
その値段を出すなら、Heavyocity のような、あちらの会社の音源を買います。
3つを表で比べると
手持ちの Fantasy Orchestra の Percussion と並べると、違いはこうなります。
| 項目 | Vir2 Elite Orchestral Percussion | London Orchestral Percussion | Hollywood Fantasy Percussion(手持ち) |
|---|---|---|---|
| 中身 | 250種類以上の打楽器 | ホール録音の打楽器(数の表記なし) | 17の楽器(太鼓・シンバル・ゴングなど) |
| 動かすもの | Kontakt(無料の Player 可) | Kontakt 7 Player か Kontakt 7 | EastWest の Opus |
| 目立つ機能 | 揺らし・奏法・パターン・響きの選択 | シーケンサー・Crush・シンバルのクレッシェンド | Fantasy Orchestra のほかの楽器と同じ画面で使える |
| 私の見方 | 音が古く、この値段ならいらない | 音はかなりいいが、2万円ならいらない | 音質はまあまあ・万能だが品揃えがもう少し欲しい |
ボカロ曲で打楽器が活きるのは、トレーラー風の演出とオケ曲
私がオーケストラの打楽器を使うのは、シネマティックなトレーラー風の曲を作るときです。
演出の部分が多い曲ほど、打楽器の出番が増えます。
あとは、普通にオーケストラのような曲を作るときです。
どちらの場面でも、今は手持ちの音源で間に合っています。
Fantasy Orchestra の使い方は、ほかのオケと重ねずに使う記事に、Opus で楽器を探すやり方はOpus の使い方の記事に書いています。
最初は総合音源で、足りなければ打楽器を積む
これからオーケストラの音をそろえるなら、まずは総合音源がいいと思います。
弦・金管・木管・打楽器がひととおり入った音源で始めて、その中でリアルさが足りなかったら、打楽器の専用音源を積んでいく順番です。
シネマティック専用の音源は、使い道が限られて使うのが難しいです。
総合音源の選び方は、こちらにまとめています。
オーケストラ音源の選び方|Opus・Miroslav・Fantasy Orchestraを持つボカロPが、最初の1本を「作りたい曲」で決める理由
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まとめ
打楽器だけの音源は、手持ちの音源に「欲しい楽器が無い」と感じてから選んでも遅くありません。
私は2本とも今は見送り、Fantasy Orchestra と Opus の打楽器で作っています。
まだオーケストラの音源を持っていない人に、まず総合音源の1本目として。
EastWest Hollywood Fantasy Orchestra を Plugin Boutique で見る →
リアル寄りのオーケストラを、全般そろえたい人に。
EastWest Hollywood Orchestra Opus Edition を Plugin Boutique で見る →
音のきれいさを優先して、シーケンサーで打楽器のリズムを組みたい人に。
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