テープ系プラグインはどれを選ぶ?|Vintage TapeとRC-20を使うボカロPが、Studer A800・ATR-102・FATSO・Softube Tapeを比べてみた

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Studer A800 は、ロサンゼルスの Ocean Way Studios にある1台のテープレコーダーを、電気の通り道まで写し取ったプラグインです。

名前は知らなかったのですが、公式の動画を見てこれを選んでもいいかなと思いました。

 

私はふだん、Ozone の Vintage Tape で最後に少しだけテープ感を足し、古い雰囲気が欲しい曲では RC-20 Retro Color を使っています。

テープの質感が好きなので、ATR-102 は前から買う候補に入れていました。

 

この記事では、手持ちの2本と、気になっている Studer A800・Ampex ATR-102・FATSO・Softube Tape を並べて、どう選ぶかを書きます。

 

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テープ系プラグインは「テープそのもの」と「それっぽさ」に分かれる

テープ系プラグインは、昔の録音機に音を通したときの変化を再現する道具です。

音が少し太くなり、高い音の角が丸くなって、全体がなじんだように聞こえます。

 

ただ、同じ「テープ系」でも、欲しいものによって選ぶ物が変わります。

1つは、テープに録った音の質感だけを足すもの。

 

もう1つは、ノイズや音の揺れまで足して、古いレコードやカセットのような「それっぽさ」を作るものです。

今回の4本は前者、RC-20 は後者に入ります。

 

手持ちの2本:Vintage Tape と RC-20 Retro Color

Ozone の Vintage Tape は、マスタリングのときに Stereo Out に挿しています。

Ozone のおまかせ機能が選ぶモジュールに、自分で Vintage Tape を足すのがいつもの形です。

 

iZotope Ozone の Vintage Tape モジュール。Speed、Input Drive、Bias、Harmonics、Low Emphasis、High Emphasis のつまみが並ぶ

 

私はテープのサチュレーションの、高い音が少し削れる感じが好きです。

Vintage Tape で足りてはいますが、テープ系をこれ1本しか使っていないので、いずれ替えたいとも思っています。

 

RC-20 Retro Color は、ノイズ・揺れ・歪み・空間などのモジュールを重ねて、音を古く汚していくプラグインです。

 

RC-20 Retro Color の画面。NOISE、WOBBLE、DISTORT、DIGITAL、SPACE、MAGNETIC の6つのモジュールが並ぶ

 

左から2番目の WOBBLE は、テープの回転のむらのように音を揺らすモジュールです。

ここを回すだけで、大まかに「よれた」感じが出せます。

 

RC-20 をどのトラックにどう挿しているかは、こちらに書いています。

 

RC-20 Retro Colorの使い方|トラックの種類ごとのバスに挿して、ノイズはStereo Outの1か所にまとめる

 

Studer A800:テープだけ欲しいなら、いま選ぶ1本

Studer A800 は、多くの名盤の録音に使われてきたマルチトラックのテープ機を再現したプラグインです。

UA のハードが無くても、Mac や Windows でそのまま動きます。

 

Studer A800 の画面。上に2つのテープのリール、下に TAPE・CAL・INPUT・IPS・OUTPUT のつまみと VU メーター、THRU・INPUT・SYNC・REPRO の切り替え(Universal Audio 公式の画像)

 

公式の説明では、INPUT と OUTPUT を押し込むほど、きれいな音から自然な歪みへ移っていきます。

IPS でテープの速さを、TAPE で4種類のテープの銘柄を切り替えられ、それぞれ音の変わり方が違います。

 

公式の動画には、かけていない音とかけた音を並べた場面があり、違いが非常に分かりやすかったです。

 

 

音は好みで、見た目もよくあるテープ機らしいデザインで好きでした。

前に FATSO と ATR-102 を比べたときは、FATSO のほうが前にいました。

 

今回 Studer A800 を見て、FATSO と並ぶくらい好みだと感じています。

 

Studer A800 MK III の実機。PLAY・STOP・REC などのボタンと銘板(Universal Audio 公式の画像)

 

値段については、6,800円くらいなら買ってもいいと思います。

さすがに3万5,000円の通常価格では高く感じます。

 

Ampex ATR-102:機能の多さで気になっていた1本

ATR-102 は、マスタリング用のテープ機を再現したプラグインです。

見た目はよく目にしていましたが、名前は知りませんでした。

 

Ampex ATR-102 の画面。上に2つのVUメーターとREPRODUCE・RECORDのつまみ、中央にテープのリール、左右にテープの種類・速さ・ヘッドの切り替え(Universal Audio 公式の画像)

 

動画で聞いた音には少し懐かしさがあり、やっぱり欲しいと思った1本です。

Vintage Tape があるので無くても困りませんが、Vintage Tape より機能が多そうで、使ってみたい気持ちがあります。

 

 

テープ系を1本しか使っていないと、良さを比べられません。

EQ も、Logic 純正から FabFilter に替えて初めて違いがよく分かったので、テープも2本目で分かることがあると思っています。

 

ATR-102 の値動きと買い時は、Ampex ATR-102 のセールの記事に書いています。

 

FATSO:どんなトラックにも使えそうな、テープ+コンプ

FATSO は、テープのような温かさとコンプをまとめてかけられるプラグインです。

小さな Jr と、つまみの多い Sr の2つが入っています。

 

FATSO JrとFATSO Srの2つのプラグイン画面(Universal Audio公式サイトより)

 

動画で聞いた音はめちゃくちゃいい音で、どんなトラックにも有効に使えそうだと感じました。

ATR-102 と FATSO は似た印象でしたが、YouTube を見た限りでは FATSO のほうが音の好みで、UI も使いやすそうです。

 

 

FATSO の値動きと買い時は、UAD FATSO の記事で分かります。

 

Softube Tape:Vintage Tape とほぼ同じ役割

Softube Tape は、AMOUNT のつまみと A・B・C の3つのタイプで、テープの質感を足すプラグインです。

 

Softube Tape の画面。左右のVUメーター、AMOUNTのつまみ、A・B・CのTYPE切り替え、TAPE SPEED(1⅞〜30 IPS)のつまみ(Softube 公式の製品画像)

 

画面と説明を見た印象は、Ozone の Vintage Tape とほぼほぼ一緒でした。

テープのサチュレーションをまだ持っていない人なら、ありだと思います。

 

 

私は Vintage Tape を気に入って使っているので、同じ役割の Softube Tape は見送っています。

詳しくは Softube Tape の記事に書きました。

 

6本を表で比べると

手持ちの2本と、気になっている4本を並べるとこうなります。

 

製品種類私との関係私の見方
Ozone の Vintage Tapeテープの質感使っているStereo Out に少しだけ
RC-20 Retro Colorそれっぽさ(ノイズ・揺れ)使っている古い雰囲気が欲しい曲に
Studer A800テープの質感持っていないテープだけ欲しいならこれ
Ampex ATR-102テープの質感持っていない機能が多そうで気になる
FATSOテープ+コンプ持っていないStuder と並んで好み
Softube Tapeテープの質感持っていないVintage Tape と役割が重なる

 

テープ系を何本も持つ意味はあるのか

正直に言うと、テープ系をたくさん持つ必要はないと思います。

それでも私は、いろいろなテープを集めたいと考えています。

 

グランドピアノの音源がたくさんあっても、どこの会社のピアノかで音が違うのと同じで、テープにも微妙なニュアンスの違いがあるからです。

ここは単純に、私がテープの音を好きだという話でもあります。

 

ボカロ曲では、どこに挿すか

面倒なときは、Stereo Out に挿して曲全体にかけています。

 

個別に質感を出したいときは、歌声合成の声だけや、目立たせたい楽器だけに挿します。

音を少しよれさせたいときにも使います。

 

まとめ:初めての1本はこう選ぶ

テープ系を1本も持っていないなら、テープの質感だけが欲しい人は Studer A800 でいいと思います。

古いレコードやカセットのような「それっぽさ」が欲しいなら、定番の RC-20 Retro Color です。

 

RC-20 なら、WOBBLE で大まかに揺らすだけでも雰囲気が変わります。

私は Vintage Tape と RC-20 で足りていますが、2本目のテープを選ぶなら、Studer A800 と FATSO が候補です。

 

テープの質感だけを、まず1本で足したい人に。

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古いレコードやカセットのような「それっぽさ」を、ノイズと揺れで作りたい人に。

RC-20 Retro Color を Plugin Boutique で見る →

 

テープの温かさとコンプを、1つでまとめてかけたい人に。

Universal Audio Emperical Labs FATSO Tape Simulator を Plugin Boutique で見る →

 

マスタリングも一緒にそろえて、最後にテープ感を少し足したい人に。

iZotope Ozone 12 を Plugin Boutique で見る →

 

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ABOUTこの記事をかいた人

Logic Pro で音楽制作をしています。インスト曲とボカロ曲を作りながら、DTM・プラグイン・ミックスで実際に試して分かったことを書いています。