ボーカルの「透明感」を、私は少し遠くから歌っている感じだと思っています。
低域を少し削って、高域が多めになると、声に距離感が出ます。
その距離感が、聞いていて「透明感がある」と感じるところです。
この記事では、Logic Pro でボカロ曲を作っている私の、ボーカルの透明感の作り方を順番に書きます。
EQ は FabFilter Pro-Q 4、仕上げは VO-TT です。
FabFilter Pro-Q 4 を Plugin Boutique で見る →
手順1〜3:ローカット→気になるミッドを削る→高域を上げる
基本の順番は、ローカットして、気になるミッドの部分を削って、ハイを上げる、です。
下の画面は、私がボーカルにいつも使っている Pro-Q 4 の形です。

プリセットは「Forward Controlled Vocal」です。
手順1:100Hz あたりでローカット
まず、100Hz あたりから下をローカットで切ります。
低域を削ることが、そのまま「少し遠くから歌っている感じ」につながります。
手順2:気になるミッドを削る
次に、中域で気になるところを削ります。
この画面では、中域のバンドがどれも小さく、音に合わせて動くダイナミックな削りになっています。
手順3:高域を上げる
最後に、高域を上げます。
画面では、4kHz 前後を山の形で広く持ち上げています。
空気感を出すのに、EQ のハイシェルフを使うこともあります。
ただ、最近は高域をそんなに上げることは減っています(理由は後半に書きます)。
Pro-Q 4 の基本の操作は、Pro-Q 4 の使い方の記事にまとめています。
手順4:埋もれたら、ボーカルではなくオケ側を削る
EQ をかけても、オケの中でボーカルが埋もれてしまうことがあります。
そのときは、ボーカルをさらに持ち上げるのではなく、オケ側をちょっと削ってボーカルを主役にします。

上は、コード楽器をまとめたバスに挿した Pro-Q 4 です。
オケのミッドを削って、ボーカルの穴を開けるのが、いまの私にはいちばんやりやすい方法です。
ボーカルが埋もれる原因と、パートごとのまとめ方は、こちらの記事に書いています。
仕上げ:前はエキサイター、最近は VO-TT でまとめる
空気感を足す仕上げには、前は無料のエキサイターを使っていました。
Slate Digital の Fresh Air です。
でも最近は、Fresh Air も使わずに、最後は VO-TT でまとめてしまうことが多いです。
VO-TT は、ボーカルに色づけをするプラグインです。

この画面では、ボーカルのチャンネルに Pro-Q 4 → VO-TT の順で挿しています。
VO-TT は上の段のスタイルから Warm1 を選んだだけで、ほかのつまみは初期値のままです。
VO-TT を使い始めた理由や、ほかのスタイルとの違いは、VO-TT のレビューに書いています。

高域を足しすぎて、シャリシャリしたとき
高域を足しすぎて、声がシャリシャリしてしまったことはありました。
そのときは、エアーを乗せないようにしたり、ハイシェルフで高域を少し下げたりして戻していました。
ただ、最近は高域をそんなに上げなくなりました。
私はシャリシャリ系の声があまり好きではないからです。
耳に刺さる高域の直し方は、ミックスが耳に刺さるときの記事にまとめています。
初音ミクと重音テトでは、透明感の出しやすさが違う
ボカロ曲の場合、透明感は元の声で決まる部分がけっこう大きいと感じています。
初音ミクは、もともと透明感がある声だと思います。
一方で、重音テトは、比較的声がどっしりしています。
なので、テトのときは低域を削ったうえで、声の質も変えるようにしています。

Synthesizer V 2 の重音テトは、ボーカルスタイルで歌い方の特徴を切り替えられます。
公式の対応スタイルは Joyful・Cute・Power・Mellow・Low・Mini・Rock です(使うには Synthesizer V Studio 2 Pro が必要です)。
私は Low のようにローが強く出るものはなるべく入れず、透明感が出そうなものを選んでいます。
Mellow などで少し綺麗系に寄せると、透明感は出やすいです。
ミクとテトのどちらで最初の1曲を出すかは、初音ミクと重音テトの記事で比べています。
まとめ:削って距離を出し、高域は控えめに
私のボーカルの透明感の作り方をまとめると、次のとおりです。
- 100Hz あたりでローカットして、少し遠くから歌っている距離感を出す
- 中域の気になるところを削り、高域は控えめに上げる
- 埋もれたら、ボーカルではなくオケのミッドを削って穴を開ける
- 仕上げは VO-TT でまとめる(前は無料の Fresh Air)
- シャリシャリしたら、エアーを乗せないか、ハイシェルフで少し下げる
- 重音テトは低域を削り、ボーカルスタイルでローの強いものを避ける
ローカットからミッドの削り、高域まで、ボーカルの EQ を1台で済ませたい人に。
FabFilter Pro-Q 4 を Plugin Boutique で見る →
透明感の仕上げを、エキサイターを足さずに1台でまとめたい人に。
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