コード進行のおすすめ記事を検索すると、大体6個から10個くらい紹介されています。
正直に言うと、全部は要りません。
自分が1曲目を作ったときも、最初に使ったコード進行はほぼひとつだけでした(その話は初心者ボカロPがまず1曲を完成させるまでの記事にも書きました)。
今回は、それを含めて実際に使っている3つだけに絞って紹介します。
理屈より先に、まず手を動かして1曲通したい人向けです。
1曲目は、小室進行ひとつをループしただけだった
1曲目に取りかかったとき、コードのところで完全に手が止まりました。
メロディは浮かぶのに、その下に何を置けばいいのか分からないという状況です。
そこで頼ったのがScaler 3です。
キーを決めると、そのキーに合うコード候補が一覧で並びます。
正確にいうと、完全にキーが合うと青色、まあまあ合っていると水色、合っていないと灰色です(水色だと緊張感があり、灰色だと音痴気味に聞こえることが多い)。

このときに選んだのが、いわゆる小室進行でした。
基本はこれをループさせただけで、1曲目の土台ができました。
コードを次々に変える必要はありません。
ひとつの進行をループさせるだけでも、曲は最後までつながります。
もちろん変えたほうがいいですが、変えなくても成立はします。
特にゲームとか、ループ系はありかなと。
結局、最初はこの3つだけで足りる
たくさんコードを紹介すると、逆に「結局どれを使えばいいのか」で止まってしまう気がしています。
私が初期に使っていたのは、ほぼこの3つです。
① 小室進行(Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ)── まず1曲目に
CメジャーキーだとAm→F→G→Cです。
マイナーコードから始まってメジャーコードに着地するので、聴いていて自然に前向きな終わり方になります。
初めて曲を作るなら、まずこれでいいと思います。
Get Wildとかが好きならこれもいいでしょう。

有名な例だと、初音ミクの「千本桜」のサビがこの進行です。
小室イズムは引き継がれています。
② 王道進行(Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm)── 外さない定番
CメジャーキーだとF→G→Em→Amです。
Ⅰ(トニック)から始まらず、最後もマイナーで終わるので、「まだ続く」感じが出しやすい進行です。
J-POPで使用頻度がかなり高く、ランダムに何曲か聴けば1曲は使っているとも言われるくらいの定番です。
私も好きで多用しております。

DECO*27さんの「シンデレラ feat. 初音ミク」で使われています。
③ 丸サ進行(ⅣM7→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅰ7)── 今っぽさを出したいとき
CメジャーキーだとFmaj7→E7→Am7→Cmaj7です。
椎名林檎さんの「丸の内サディスティック」が由来で、浮遊感のある、こなれた雰囲気が出ます。
海外でも有名な進行で、「Just The Two of Us進行」とも呼ばれます。
これはScalerで組むときに少しつまずきました。
Scaler 3の「Common Progressions」というプリセット一覧を探しても、①②③のどれも出てきません。
試しに探したのが下の画面です。

進行のプリセットに用意されているのは、Ⅰから始まる進行ばかりでした。
小室進行や王道進行のようにⅥmやⅣから始まる進行は、名前付きのプリセットとしては見つかりませんでした。
なので、プリセットを探すのはあきらめて、ダイアトニックコードの一覧から度数を見ながら、自分でAm→F→G→Cのように1個ずつ並べました。
丸サ進行のE7(キーの外の音を含む借用コード)も、7thコードの一覧から拾えば問題なく置けます。
以下のModal画面が楽なので、結構多用しています(E7はないので別の画面から引っ張ってくる必要がありますが)

プリセット任せにできなくても、度数さえ分かっていれば同じことができます。
Scalerが無くても、Logicのピアノロールに直接打ち込むだけでも十分です。
Aメロ・Bメロ・サビで、進行を変える必要はなかった
「コード進行の記事」と聞くと、Aメロ・Bメロ・サビでそれぞれ違う進行を当てはめる、というイメージがあるかもしれません。
自分の場合は違いました。
初期のころは、AメロもBメロもサビも同じ進行のままで、ボイシング(コードの積み方)だけを変えて、サビを音域の高い響きにしていました。
進行そのものを増やすより、同じ進行をどう鳴らすかのほうが効いている実感があります。
このあたりはコード進行の記事でも書きました。
ただしBメロだけは、この3つとは別にクリシェという技を単体で使うことが多かったです。
クリシェは、ルート音はそのままで、1音だけを半音ずつ動かしていく進行です。
たとえばAmのままで、上の音をA→G#→G→F#と下げていくだけで、Am→Am(M7)→Am7→Am6という響きの変化が作れます。
コードの形をほとんど覚えなくていいので、ラクにアレンジを付けたいBメロとかに向いています。
あとは、Am→G→F→Emとかもありかと。
私自身コードは気持ちよければなんでもいいし、分析やが勝手に理論づけてくれるので、極端なことを言うと自由でいいと思っています。
どうせ投稿しても、初期は再生数は伸びないので。
「パクリじゃないか」と不安になったら
同じ進行を使うと、他の曲と似てしまうのではと不安になることもあると思います。
これについては別の記事にも書きましたが、同じコード進行を使えば、メロディの骨格が他人と近づくのは理論上ごく普通のことです。
今回紹介した3つも、有名曲で何度も使われている進行です。気にしすぎなくて大丈夫だと思います。
なお、コード進行自体に著作権はないので、最悪全部同じでも可能となっております(Business Insider Japanの記事にも同様の解説があります)。
と言うより、定番の進行を使うと被ってしまうので、そこはしょうがないとは思います。
慣れてきたら、独自性を出すのがいいと思います。
梶浦先生のようにDドリアンで、オリジナル言語を使うとかですね。
まとめ
コード進行は、最初から何個も覚える必要はありません。
- 小室進行(Am→F→G→C)── まず1曲目に
- 王道進行(F→G→Em→Am)── 外さないアニメ系定番
- 丸サ進行(Fmaj7→E7→Am7→Cmaj7)── 今っぽさを出したいとき、特にボカロPに結構多用される
この3つと、Bメロ用のクリシェがあれば、最初の1曲は十分に作れます。
進行選びに時間をかけるより、まず1曲最後まで作ることを優先してください。
慣れてきたら、進行そのものより転回・ボイシングを変えていく話をコード進行の記事に書いているので、そちらも読んでみてください。







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