今回は、リバーブのプラグインの話です。
以前、Logicのリバーブは純正で足りる?という記事で、純正の ChromaVerb から Valhalla VintageVerb、そして FabFilter Pro-R 2 へと乗り換えてきた流れを書きました。
この記事は、その続きです。
Pro-R 2 を普段使いに決めたあと、実際にどのノブをどう動かしているかを書きます。
Pro-R 2 は、EQ・コンプ・リバーブをまとめて良くしようと思って買った FabFilter の Essentialsバンドル(Pro-Q 4/Pro-C 3/Pro-R 2)の1つです。
ブラックフライデーのセールで、45,000円くらいだったと思います。
先に結論を書くと、Pro-R 2 は、自分のプラグインの中でいちばん触らないやつ です。
でもそれは悪口ではなくて、「決まった使い方で、いつも同じところに落ち着く」という意味です。
まずは公式の紹介動画を貼っておきます。
リバーブはセンドで、「返し」を何本も立てている
リバーブは、トラックに直接挿すことはほとんどなくて、基本はセンド(AUXバス) で使っています。
センドで送った先の、リバーブだけが鳴っていて元の音に少しずつ混ぜ戻すトラックを「返し」(リターン)と呼びます。
その「返し」を、1本ではなく何本も立てています。
まず空間の種類ごとに、room/ambience/plate/chamber/hall。
そのほかに、ボーカル専用の返しを用意していて、さらにそれを「サビ用」と「サビ以外用」に分けています。

サビ用の返しはサビでだけ開く ように、返しのボリュームをオートメーションで書いています。
こうすると、Aメロは軽く、サビはリバーブが増えて広がる、という差がセクションごとに作れます。
返しがこれだけ多いと、リバーブが同時に何枚も立ち上がります。
それでも重くならないので、この使い方が成立しています(CPU の話はあとでもう一度書きます)。
「ここは Pro-R 2、ここは別のリバーブ」という線引きは、基本的に「自然に馴染ませたいところは Pro-R 2、はっきり聞かせたいサビの一部は Valhalla VintageVerb」です。
この使い分けは reverb-plugins の記事 に詳しく書きました。
R-2で触るノブは Space と Distance くらい
Pro-R 2 の画面には、Predelay・Character・Thickness・Distance・Space・Brightness・Width・Ducking・Mix と、ノブがひととおり並んでいます。

このうち、実際にいじるのはまん中の大きい Space ノブくらい です。
Space を回すと残響の長さ(秒数)が変わるので、曲に合わせてここだけ決めます。
狭い曲なら短め、広がりが欲しい曲なら長め、という感覚です。
あとは Distance を少し動かすくらいですね。
近づけると密度が上がって前に、遠ざけると奥に引っ込みます。
ボーカルは近め、飾りの楽器は遠め、みたいに使います。

Character(ざらつき・揺れ)や Brightness(明るさ)は、ほぼ触りません。
センドなので Mix は 100% のまま固定です。
空間の大きさそのものは、ノブよりも「どのプリセットから入るか」で決めることが多いです。
狭いものは Plate 系まで、広いものは Hall 系まで、という選び方をしています。
内蔵の EQ はプリセットのまま、整えるのは外の Pro-Q
Pro-R 2 には、残響の帯域ごとの長さを変える Decay Rate EQ と、出力にかける Post EQ が付いています。
実際にかかった時は、下記画像のようになります。

正直に言うと、この内蔵 EQ は、プリセットが設定したままで使っています。
自分で曲線を描くことはほとんどありません。
リバーブの音を整えるときは、返しバスに Pro-Q を挿して、そこでローカット します。
低いところの残響を削ると、ボーカルの下が濁りません。
たまに、耳につくときはハイカットもします。
EQ 側の話は Pro-Q 4 のレビュー に書いたので、ここでは省きます。
リバーブの色づけも、結局は使い慣れた EQ でやってしまう、ということですね。
プリセットは使う、IR は読み込まない
Pro-R 2 のプリセットは、Ambience・Small・Medium・Large・Very Large・Gated・Tempo Synced と、空間のサイズで分かれています。

プリセットから入って、Space を曲に合わせて微調整する、というのが基本の流れです。
プリセットの数も十分にあって、困ったことはありません。
Pro-R 2 は IR(インパルスレスポンス)を読み込んで、実在の空間の響きを使うこともできますが、そこは使っていません。
機能としてある、という認識だけです。
ダッキングは Pro-C 3 から内蔵に移しているところ
リバーブ返しのダッキング(歌っている間だけ残響を引っ込める処理)は、これまで返しに FabFilter Pro-C 3 をもう一段挿してやっていました。
手順は コンプの記事 に書いたとおりです。

ただ、Pro-R 2 自体に Ducking ノブが付いていることに最近気づいて、いまはそっちに寄せています。
試してみると、Pro-R 2 内蔵のダッキングは「歌に合わせて残響の音量を下げる」だけで、コンプのようにレシオやリダクション量を細かく決めることはできません。
コンプの簡易版、という感じです。
しかし、リバーブのダッキングに、そこまで細かい設定は要らない というのが今のところの実感です。
返しごとにコンプを1枚ずつ挿すより、リバーブ側のノブ1つで済むほうが軽いし早いですね。
不自然にポンピングしたり、低い音や「サ行」で誤反応したりしたときだけ、Pro-C 3 に戻して、サイドチェインの EQ で整えます。
正直な話:不満は英語表記くらい
Pro-R 2 に対する 不満らしい不満は、ほとんどありません。
強いて言えば、説明や項目名が英語なので、最初は少し分かりにくかった、というくらいです。
日本語表示があると嬉しいですが、これは FabFilter 全体に言えることですね。
CPU は軽い です。
返しを何本も立てて、それぞれに Pro-R 2 が乗っていても、いままで固まったことはありません。
純正の ChromaVerb を同じ数だけ挿していた頃は、フリーズ前提でした。
ここが替えて一番ありがたかったところです。
いま気になっているリバーブは、正直あまりありません。
挙げるとしたら、曲を聴かせると設定を自動で作ってくれる Sonible の smart:reverb 2 くらいです。
設定に自信がないので、AI に任せるタイプは一度触ってみたいと思っています。
▼ 参考:Sonible smart:reverb 2 の紹介動画
比較の詳細は リバーブのおすすめ にまとめてあります。
Pro-R 2 を買うべきか
リバーブを1本もちゃんと持っていないなら、Pro-R 2 はいい入口 だと思います。
とにかく自然で、何に挿しても馴染むので、外しにくいです。
ただ、値段は高いので、最初は無料や安いリバーブでいい とも思います。
自分も、有料リバーブの1本目は Valhalla VintageVerb でした。
値段は、いつでも50ドルですね。

VintageVerb と比べると、Pro-R 2 のほうがリッチで、高級感があります。
かかっているのが分かりにくくて、音に「滲む」ように馴染む感じです。
対して VintageVerb は、前に出ていく感じ。
良く言えばキャラが立っていて、悪く言えば大げさです。
サビの頭みたいに「はっきり聞かせたい」ところでは、その濃さが逆に武器になります。
▼ 参考:Valhalla VintageVerb の解説動画
お金を出す順番でいうと、まず EQ、そのあとコンプ、リバーブはそのまた次、くらいの優先度でいいと思います。純正の ChromaVerb でも曲は問題なく仕上がりますし、ミックス全体の中でのリバーブの置き方 のほうが、プラグインの銘柄より効きます。
私はFabfilterとてつもなく好きですけどね。将来は全部集めたいです。
単体でも買えますが、EQ・コンプ・リバーブをまとめて良くしたいなら Essentialsバンドル のほうが1つあたりの単価は下がります。
円・ポイント・まとめ買いの条件で見比べてください。
いちばん安いのはブラックフライデーです(DTMのブラックフライデー2026/プラグインのセールは待つべき?)。
FabFilter Pro-R 2 を Plugin Boutique で見る →
まとめ
Pro-R 2 は、触るノブが少なくて、いつも同じところに落ち着く リバーブです。
自分の場合は、センドを何本も立てて、Space を曲に合わせて決めて、色づけは返しバスの Pro-Q。
ダッキングは内蔵に移行中。
凝ったことはしていません。
普段の返しは Pro-R 2 で自然に、サビの見せ場だけ VintageVerb で濃く。この2本体制が、いまのところ気に入っています。
リバーブにお金をかけるのは EQ・コンプのあとで十分ですが、そこまで来たなら、Pro-R 2 の滲むような自然さは気持ちいいですよ。







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