ボカロのベースの音作り|ぼやけたら、足す前にまず削る。MODO BASS 2を使うボカロPがEQ・コンプ・サチュレーションでやっていること

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ボカロ曲を作っていて、ベースだけがぼやけて聞こえることがあります。

低いところでモワッと広がって、ほかの楽器や歌の輪郭までにじんでしまう状態です。

 

そういうとき、つい「もっと聞こえるように」と何かを足したくなります。

でも私の場合、ぼやけたときに効くのは、足すより削るほうでした。

 

この記事では、ボカロPの私がベースの音作りで普段やっていることを、順番どおりに書いていきます。

音源の使い分け、EQ で削る場所、コンプとサチュレーション、聞こえないと感じたときの確かめ方までです。

 

ベースのフレーズの作り方(打ち込み)は別の記事にまとめているので、ここでは音を整える話だけにしぼります。

 

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音源は基本 MODO BASS 2、シンセベースは曲によって重ねる

音作りの前に、元になる音源の話をしておきます。

私のベースは、基本的に IK Multimedia の MODO BASS 2 です。

 

MODO BASS 2 の MODEL タブ。'70s J-Bass を選び、フレット数やスケール、ピックアップなどの仕様が表示されている

 

MODO BASS 2 は、ベースの種類やピックアップ、弾き方を選んで音を作れる音源です。

使っている感想は、MODO BASS 2 のレビューに書いています。

 

 

シンセベースを使うのは、EDM 寄りの曲のときです。

それ以外では、MODO BASS 2 の音にシンセベースを重ねて使うこともあります。

 

どちらにするかは、曲によって使い分けているのがほとんどです。

シンセベースは、普段使っているシンセの Pigments(Arturia)から作ります。

 

ベース音源の選び方そのものは、ベース音源のおすすめの記事で、無料のものから順にまとめました。

 

Arturia Pigments の画面。EDM 寄りの曲のシンセベースは、このシンセで作っている

 

Pigments を使っている感想は、Pigments のレビューにあります。

 

いつもの順番は、EQ で削る→コンプ→サチュレーション

ベースの音作りで私がいつもやるのは、EQ で削る、コンプ、サチュレーションの3つです。

特別なことをしているわけではなく、毎回この流れで整えています。

 

下の画面は、ある曲のベースのトラックに Pro-Q 4 を挿したところです。

左のインサートには、上から Pro-Q 4 が2つ、コンプの Pro-C 3、サチュレーションの Trash と ChromaGlow が並んでいます。

 

ベースのトラックに挿した FabFilter Pro-Q 4。左端の Low Cut(18 dB/oct)と、300Hz 付近を下げたバンド。インサートには Pro-Q 4・Pro-C 3・Trash・ChromaGlow が並んでいる

 

もう1つ、よくやるのがアンプをつなぐことです。

ベースにアンプを通して、アンプの後ろに EQ を置いて音を作ることが結構あります。

 

EQ は FabFilter の Pro-Q 4 を使っています。

使い方の詳しいところは、Pro-Q 4 のレビューでベース以外のトラックも含めて書きました。

 

コンプは Pro-C 3 です。

コンプの選び方は、コンプレッサーのおすすめの記事にまとめています。

 

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ぼやけたら、300Hz あたりと 80〜100Hz から下を削る

ベースがぼやけたときに大事なのは、削ることです。

私がまず見るのは、300Hz あたりで、ここは削ります。

 

もう1つが、いちばん下の帯域です。

ベースにローカット(ハイパス)をかけて、80〜100Hz あたりから下をがっつり削ることがあります。

 

「ベースの低いところを切ってしまっていいの?」と思うかもしれません。

でも、ある程度そこから削ってしまったほうが、ベースはスッキリして、かなりいい感じになることが多いです。

もちろん、ベースの旨味で最初は削ることに抵抗はありましたが、あるプロのエンジニアのやり方では、100以下を切る方法を紹介していたので、従いました。

 

もちろん数字は毎回同じではありません。

100Hz と決めずに、80Hz あたりにしたりと、曲に合わせて少しずつ動かしています。

 

上の Pro-Q 4 の画面でも、左端のカーブが Low Cut で、緑のバンドが 300Hz の近くを下げているところです。

 

サチュレーションは Trash や、昔のアナログ系のものにつなぐ

削って整えたあとは、サチュレーションで質感を足します。

よく使うのは iZotope の Trash です。

 

MODO BASS 2 のベースのトラックに挿した iZotope Trash。Bass Enhancer 01 のプリセットで、帯域を分けて歪みをかけている

 

この画面は、MODO BASS 2 のトラックに Trash を挿して、Bass Enhancer 01 というプリセットを読み込んだところです。

Trash の使い方や、ベース以外での使い道は、Trash のレビューに書いています。

 

Trash のほかに、70〜80年代のアナログ系のものにつなぐこともあります。

サチュレーションの種類ごとの違いは、サチュレーションのおすすめの記事でまとめました。

 

 

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「聞こえない」はあまり無い。気になったらアナライザーで帯域を見る

正直に言うと、ベースが聞こえなくて困ることは、私にはあまりありません。

どちらかというと、結構前に出してしまうほうです。

 

それでも聞こえないと感じたときは、アナライザーで、ベースの帯域がどのくらい出ているかを見て調整します。

見ているのは、iZotope の Tonal Balance Control です。

 

Stereo Out に挿した Tonal Balance Control。帯域ごとのバランスが、目安の帯に収まっているかを確かめる画面

 

画面の帯が目安で、曲の線がその帯の中にほぼ入っていれば、ベースは聞こえていると考えています。

今回の例では低い目ですが、いつもは上のギリギリぐらいにあることが多いです。

 

ちなみに Tonal Balance Control は、Ozone に入っているものではなく別の製品です。

Tonal Balance Control のことは、Ozone のレビューでも触れています。

最近では個別にトラックにつけて分析するのも面白いですね。

 

iZotope Tonal Balance Control 3 を Plugin Boutique で見る →

 

まとめ:ベースは「削ってから、質感を足す」

ボカロのベースの音作りで、私がやっていることをまとめます。

 

  • 音源は基本 MODO BASS 2。シンセベースは EDM 寄りの曲か、MODO BASS 2 に重ねるとき
  • いつもの順番は、EQ で削る→コンプ→サチュレーション。アンプの後ろに EQ を置くこともある
  • ぼやけたら、300Hz あたりを削る。80〜100Hz あたりから下をローカットして、曲に合わせて微調整
  • サチュレーションは Trash や、70〜80年代のアナログ系のもの
  • 聞こえないと感じたら、Tonal Balance Control で帯域を確かめる

 

ベースがぼやけて悩んでいるなら、何かを足す前に、まず削ってみてください。

それだけで、ベースはスッキリすることが多いです。

 

音を整える前の、フレーズの打ち込み方はこちらにまとめています。

 

ベースの打ち込みのコツ|音の高さより先にリズムを決めるボカロPが、強弱やゴーストノートで気をつけていること

 

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