大サビを -8.5 LUFS まで上げたら、A メロも B メロも、ほとんど同じ大きさになってしまった。
作曲を始めたころの私が、音圧でいちばん困ったのはこれでした。
音圧が「上がらない」というより、上げられる余白が最初から無かったのです。
今は、ミックスの最初にフェーダーを下げておくことで、この失敗はほとんどしなくなりました。
この記事では、Logic Pro と Ozone で曲を仕上げている私が、音圧で困ったときに見直す順番と、最初からつまずかないための置き方を書きます。
仕上げは Ozone にほぼ任せているので、難しい設定の話はしません。
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私の目安は、大サビで -8.5 LUFS
私が曲の音量の目安にしているのは、大サビの部分で -8.5 LUFS くらいです。
LUFS は、人の耳に聞こえる大きさに近い形で音量を表す単位です。
民族的な曲のように、そこまで音圧が要らない曲は、大サビで -10〜-12 LUFS くらいにしています。
投稿先によって変えることはありません。

画像は、曲全体の平均(Integrated)が -13.9 LUFS の例です。
大サビの短い区間で -8.5 LUFS でも、静かな部分を含めた曲全体の平均は、これくらい低く出ます。
測り方とメーターの見方は、こちらにまとめています。
困ったのは「届かない」ではなく、ダイナミクスが消えること
Ozone に任せていて、-8.5 LUFS に届かなかったことは、私の場合ほとんどありませんでした。
困ったのは別のところです。
最初のうちは、マスタリングで上げるための余白(ヘッドルーム)が、ほとんど残っていませんでした。
その状態で大サビを -8.5 LUFS にすると、A メロや B メロまで -8.5 に近い大きさになってしまいます。
静かなところと盛り上がるところの差、つまりダイナミクスが消えて、曲が平らに聞こえる。
これには本当に困りました。
そこで当時は、ミックスの前にトラックを分けて書き出し(パラアウト)、それぞれの音量をかなり小さくしてから組み直したことがあります。
マスタリングで持ち上げられる幅を、あとから作り直したわけです。
見直す順番1:急なピークで音量が上がっていないか
今、もし大サビを -8.5 LUFS にしてダイナミクスが無くなったら、私が最初に確かめるのは突発的なピークです。
一瞬だけ飛び出す大きな音があると、そこが先に天井にぶつかって、全体を上げる余地が無くなります。
私の曲で飛び出しやすいのは、クラッシュシンバルやボーカルです。
まずはメーターを見ながら曲を流し、どのトラックで音が跳ねているかを探します。
見直す順番2:ピークはトラックのリミッターで抑える
飛び出している部分が見つかったら、そのトラックにリミッターを挿して、ピークを抑えます。
私が使っているのは Logic 純正の Limiter で、挿すのはボーカル・ベース・スネア・クラッシュのトラックです。

上の画像は snare のトラックで、EQ とコンプの後ろに Limiter を挿しています。
2mix(全体)にはこのリミッターを使わず、個別のトラックのピークを捕まえる役にしています。
リミッターの選び方や、Logic 純正と有料のものの違いは、リミッターの比べの記事に書いています。
見直す順番3:全体のフェーダーを下げて、天井を広げる
基本的には、全体のフェーダーを下げて音量を小さくすれば、天井までの余白が広がります。
これで、たいていの問題は片付きます。

私のミキサーでも、ピアノやシンセパッド、弦のトラックのフェーダーは、-15dB や -24dB あたりまで下げてあります。
下げた分だけ、マスタリングで持ち上げる余白が残るという考え方です。
最初から Stereo Out のピークを -5〜-6dB に置く
実は今、この見直しをすることはほとんどありません。
最初から音量を下げておけば、同じ失敗をしないからです。
私が目安にしているのは、ミックスの段階で Stereo Out のピークが -5〜-6dB くらいになることです。
ここでいう数字は LUFS ではなく、Stereo Out のフェーダーの横に出るピークの dB です。

画像の Stereo Out では、フェーダーの右側の緑の数字がピークで、-6.9 と出ています。
ミックスをしながら、この数字がそのあたりに収まっているかを見ておきます。
仕上げは Ozone に任せて、天井を -1 にするだけ
余白さえあれば、あとの仕上げはほとんど Ozone に任せています。
Stereo Out には、Pro-Q 4 の後に Ozone、その後ろに Insight 2 と Tonal Balance Control の順で挿しています。

Ozone の Master Assistant に AI で音を整えてもらい、私が自分で触るのは Maximizer の天井(Output Level)を -1 にすることくらいです。
-8.5 LUFS に合わせるところも、基本はそのまま任せています。

Master Assistant は、初心者にも勧めたい機能です。
使っていて、本当に楽だと感じます。
Ozone を Logic で使う流れは、Ozone の使い方の記事にまとめています。
音を大きくしたら、ノイズまで大きくなったとき
音圧で困ることは、もう1つあります。
最後に Maximizer で音を大きくしたら、曲に乗っていたノイズのような音まで大きくなってしまうことです。
これは私も何度も経験しています。
直すのはかなり大変で、作曲の段階まで戻って、プラグインを外すなどして修正しています。
歌声合成の声は、音圧を上げても埋もれなかった
ボカロ曲で音圧を上げると、歌声合成の声が埋もれたり、きつくなったりしないか。
私の場合、音圧を上げたせいで声が埋もれたことは、基本的にありません。
ただ、ボーカルの音量そのものが足りなくなることはあります。
そのときは、ボーカルの音量を上げるか、ほかのオケを下げて、声が目立つようにしています。
まとめ:上がらないときは、余白から疑う
音圧が上がらないと感じたら、私は次の順番で見直します。
- 急なピークで音量が上がっていないかを確かめる
- ピークがあれば、そのトラックのリミッターで抑える
- 全体のフェーダーを下げて、天井までの余白を広げる
- 予防として、最初から Stereo Out のピークを -5〜-6dB くらいに置く
足りないのは音圧ではなく余白だった、というのが私の答えです。
リミッターを買い足す前に、まずはフェーダーを下げるところから試してみてください。
個別のリミッターのセールは、Softube Limit Pro・Waves L4・McDSP ML4000の記事に書いています。
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Logic 純正で足りなくなり、マキシマイザーだけを足したい人に。
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