EQ・コンプ・リバーブは、Logic純正のChannel EQ・Compressor・ChromaVerbから始めて、途中で無料プラグインをいくつか試して、という順番で使ってきました。
それでも、曲は一応完成します。
ただ、ミックスで詰まる場面が増えてきて、「そろそろ定番と言われるものに替えよう」と決めて、ブラックフライデーのセールで FabFilterのEssentialsバンドル を買いました。
値段は、だいたい約45,000円でした。
単体で1本ずつではなく、バンドルです。
ただ、いざ買おうとすると FabFilterのバンドルは6種類 あって、どれを選べばいいのか最初はまったく分かりませんでした。
まずはそこを整理します。
FabFilter Essentials Bundle を Plugin Boutique で見る →
FabFilterのバンドルは6種類(2026年時点)
| バンドル | 中身 | 数 | 直販価格 | 単体合計 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| Essentials | Pro-Q 4 / Pro-C 3 / Pro-R 2 | 3 | $419 | $597 | EQ・コンプ・リバーブだけ良いものにしたい |
| Mastering | Pro-Q 4 / Pro-C 3 / Pro-L 2 / Pro-MB | 4 | $519 | $796 | 自分でマスタリングまでやる |
| Mixing | Pro-Q 4 / Pro-C 3 / Pro-R 2 / Pro-DS / Pro-G / Saturn 2 / Timeless 3 | 7 | $729 | $1,293 | ミックス一式(ディエッサー・ディレイ込み) |
| Pro | Pro-Q 4 / Pro-C 3 / Pro-L 2 / Pro-R 2 / Pro-MB / Pro-DS / Pro-G | 7 | $769 | $1,393 | Proシリーズを全部(ミックス+マスタリング) |
| FX | Proバンドル + Saturn 2 / Timeless 3 / Volcano 3 | 10 | $949 | $1,840 | 歪み・ディレイ・フィルターの創作系も欲しい |
| Total | 全14製品(FX + Twin 3 / Simplon / One / Micro) | 14 | $969 | ― | シンセ・古いバージョンまで全部 |
※価格は2026年時点で、FabFilter公式サイトの表示です。
Proシリーズの単体(Pro-Q 4・Pro-C 3・Pro-L 2・Pro-R 2・Pro-MB)はどれも$199です。
日本円だと為替とストアの設定でだいぶ変わります。
たとえばEssentialsは、この記事を書いている時点でPlugin Boutiqueだと7万円台でした。
買う前に必ず日本円の表示額を見てください。
セール時は各ストアでもっと下がります。
Essentialsに入っているのは Pro-Q 4(EQ)・Pro-C 3(コンプレッサー)・Pro-R 2(リバーブ) の3つです。
歌モノのボカロ曲を作っていて、ミックスでいちばん触るのがこの3つだったので、ちょうど中身が一致していました。
正直に言うと、決め手は「セールで安かったから、必要なものをまとめて」でした。
本当はマルチバンドコンプのPro-MBと、ディエッサーのPro-DSも欲しかったですね。
ただ、その2つが入るのはMixing・Mastering・Proのどれかで、Essentialsより一段高いです。
そのため、まずはEssentialsと割り切りました。
この割り切りが後にどうだったかは、最後に書きます。
Pro-Q 4:ぜんぶのトラックに挿しているEQ
Pro-Q 4は、いまはほぼ 全部のトラックに挿しています。
使い方はシンプルで、ただのEQです。
膨らんでいる帯域を少し削って、足りない帯域を少し上げる。
それだけでも、純正のChannel EQより「どこをどう動かしたか」が目で見えるので、作業が速くなりました。
もうひとつよくやるのが、ある周波数だけを実際に耳で聴く 使い方です。
バンドを立てて、その帯域をソロにして回していくと、耳障りな成分がどこにいるか分かる。
アナライザーとしても使っています。

各トラックにPro-Q 4を使い、帯域がぶつかっているところを見つけて少し削る、という使い方です。
上記画像のように、一覧として並べることができるので便利ですね。
昔は、トラック同士の 帯域のぶつかり(コリジョン) をチェックするのにもっと使っていました。
最近はその用途は減りました。
どのトラックとどのトラックが、だいたいどのあたりでぶつかるか、経験で分かってきたからだと思います。
ボーカルをトリガーにしたダッキング(歌っている間だけ他の帯域を少し下げる)もPro-Qでやっていますが、この手順は 無料EQで足りる?Logic純正とFabFilter Pro-Qを実際に使ったボカロPの話 に詳しく書いたので、そちらを見てください。
マスタートラックのPro-Qで25Hz以下を切っている話は マキシマイザーは初心者ボカロPに必要?
に書いています。
EQ全体を他の候補と比べたい方は、EQプラグインのおすすめ比較にまとめています。
プリセットも用意されていて、カテゴリごとに分かれています。
ただ最近は、Pro-Qに関してはプリセットからではなく、フラットな状態から手で作ることがほとんどです。

プリセットの例。
こういう出発点も選べますが、Pro-Qはフラットから手で作ることが最近は多いです。
Pro-C 3:かけすぎを反省してから、薄く使うようになった
コンプレッサーは、昔ボーカルに無料で配られた1176系のプラグインを強くかけて、声がペラペラになった失敗があります。
この話は Logicのコンプは純正で足りる? に書きました。
それ以来、コンプは薄くかけるようになって、いまはほぼPro-C 3しか使っていないです。

Pro-C 3の基本画面。
ノブの並びがそのまま処理の流れになっていて分かりやすいです。
Pro-C 3で気に入っているのは、まず 画面が見やすい ことです。
スレッショルド、レシオ、アタック、リリースの関係が視覚的に追えるので、「いまどのくらい潰しているか」が体で分かる。
数字だけのコンプより、初心者には向いていると思います。少なくともlogicよりはみやすいかと。
プリセットもそこそこあります。
ボーカル用、ドラム用、といったカテゴリで分かれていて、それぞれに「どのくらいゲインリダクションを想定しているか」まで説明が書いてあります。
そのまま使うことは少ないですが、出発点としては便利です。

プリセットには、想定しているゲインリダクション量まで書いてあります。
私の目安は、だいたい3 dBぐらいの想定です。(もちろん場合によりますが)
サイドチェインの欄も持っていて、ここを開くと、特定の帯域だけに反応させる細かい設定ができます。
ボーカルのリバーブ返しを歌に合わせて引っ込める、みたいな処理をするときに使います。

サイドチェイン欄を開いたところ。
コンプが反応する帯域を絞れます。
コンプ全体を他の候補と比べたい方は、コンプレッサーのおすすめ比較にまとめています。
Pro-R 2:普段は自然に、見せ場だけリッチに
リバーブは「自然か、リッチか」で考えています。
Pro-R 2は自然 です。
かけていることがあまり目立たない。
なので、ほとんどの曲・ほとんどのトラックはPro-R 2です。
私の中では基本のリバーブ、という位置づけです。

Pro-R 2の基本画面。
SpaceとCharacterを合わせるだけですね。
対して、はっきり リッチに響かせたいところがあるかと思います。
サビの頭とか、バラードのボーカルでは、別に持っているValhalla VintageVerbを使います。
こっちは「いま広い空間に行きました」とはっきり聞こえるくらいキャラが濃いです。
Pro-R 2とVintageVerbの使い分けは Logicのリバーブは純正で足りる? にも書きました。
純正のChromaVerbは音は良いのですが、重くてトラックが増えるとフリーズ前提になります。
Pro-R 2に替えてから、その心配がなくなりました。
EQ、コンプもそうですが、たくさん挿しても、重くならないのは重要ですね。

Small〜Very Large、Gatedなどサイズ別に分かれています。
IRの読み込みもできます。
リバーブ全体を他の候補と比べたい方は、リバーブのおすすめ比較にまとめています。
Essentialsで足りなかったもの
3つとも良くて、買ったこと自体は後悔していません。
ただ、使っているうちに、Essentialsだと、これが無いと感じたものはあります。
- Pro-MB(マルチバンドコンプ)と Pro-DS(ディエッサー):最初から欲しかった2つです。いまはPro-MBの代わりにPro-Q 4のダイナミックEQを、ディエッサーは純正やiZotope Ozoneのモジュールで代用しています。次にFabFilterを買い足すならここです。
- Saturn 2(サチュレーション)と Twin 3(シンセ):これは創作寄り。Saturnは Logicのサチュレーションは純正ChromaGlowで足りる? でも「次に欲しい」と書きました。
「じゃあ最初からMixingやFXにすればよかったのでは」と思うかもしれません。
ただ、ブラックフライデーでも上位バンドルはそれなりの金額です。
そしてFabFilterは、すでに持っている製品の分が割り引かれた価格で上位バンドルにアップグレードできる ようになっています(公式サイトにログインすると自分用のアップグレード価格が表示されます)。
Essentialsから始めても、あとでMixingやProに乗り換えるときに二重払いにはなりません。
だからEssentialsスタートは無駄にならない、と考えています。
正直な不満をもうひとつ挙げると、定価は高い です。
全部$199というのは、無料や数千円のプラグインを使ってきた身にはなかなかの値段でした。
ブラックフライデー以外のタイミングで定価で買うのは、あまりおすすめしません。
どのバンドルを買うべきか
自分の考えです。
- ほとんどの人はEssentialsで足りる:歌モノを作るなら、まず良いEQ・コンプ・リバーブ。ここが揃うだけでミックスの安定感がかなり変わります。
- 自分でマスタリングまでやるなら Mastering か Pro:リミッターのPro-L 2が目当てになります。
- ディエッサー・ディレイ・サチュも一括で欲しいなら Mixing:Essentialsに「あと少し」を足した構成です。
- 創作系エフェクトも使いたいなら FX、シンセや古いバージョンまで要るなら Total。
競合も見ました。
EQならKirchhoff-EQ(Three-Body Technology)、耳障りな成分を抑えるならoeksound soothe2あたりが候補でした。
最終的にFabFilterにしたのは、プロの現場で使っている人がいちばん多くて、情報も多いから です。
困ったときに調べれば答えが出てくる、という安心感で選びました。
SSL・Waves・Softube・UAD のミックス用バンドルと並べた比べは、ミックス用プラグインのバンドル比較の記事にまとめています。
そして毎年書いていることですが、買うならブラックフライデーが最安 です。
年間のセールの動きは DTMプラグインのブラックフライデー2026 と プラグインのセールは待つべき? にまとめています。
Plugin Boutiqueは日本円で決済できて、買うたびに無料プラグインのおまけが選べます。
ただ、円での表示額は、FabFilter直販(ドル建て)をそのままカードで買うより高いことがあります。値段だけで決めるなら両方を見比べて、すでにPlugin Boutiqueを使っている・おまけやまとめ買いの利点が大きいときに下のリンクから、という選び方でいいと思います。
買い方は Plugin Boutiqueの使い方 にまとめています。
ライセンスが何台まで使えるかと入れ直し方は、FabFilterのライセンスの記事 にまとめています。
FabFilter Essentials Bundle を Plugin Boutique で見る →
まとめ
- FabFilterのバンドルは6種類。歌モノのボカロ曲なら、まず Essentials(Pro-Q 4・Pro-C 3・Pro-R 2) で十分に戦えます。
- Pro-Qは全トラックに、Pro-Cは薄く、Pro-Rは普段使いで見せ場だけ別のリバーブ。これがいまの自分の型です。
- Pro-MB・Pro-DSが最初から欲しいなら、無理はしすぎずにMixingかProを見てください。あとから差額でアップグレードもできます。
- ただし、最初はLogic純正のChannel EQ・Compressor・ChromaVerbで大丈夫 です。曲は完成します。行き詰まって、純正では届かないと感じてから、セールでEssentialsを買えばいい。自分もその順番でした。
FabFilterについては、後悔しないと思います。値段のことを差し引いても、買ってよかったと言えるプラグインです。







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