今回は、コンプレッサーのプラグインの話です。
以前、無料で配られた1176系のプラグインをボーカルに強くかけて、声がペラペラになったという記事を書きました。
その続きというか、いまのコンプの落ち着き先の話になります。
EQ・コンプ・リバーブの3つを良いものに替えようと思って、FabFilterのEssentialsバンドル(Pro-Q 4/Pro-C 3/Pro-R 2)をブラックフライデーのセールでまとめて買いました。
45,000円くらいだったと思います。
どのバンドルを選ぶかはFabFilterのバンドルはどれを買えばいい?にまとめたので、ここではPro-C 3だけを、実際にどう使っているか書きます。
先に正直なところを言っておくと、コンプはEQほど入れ込んでいません。
EQのほうは純正も無料も卒業してPro-Q 4だけになりましたが、コンプは「Pro-C 3が便利だから使っている」くらいの距離感です。
とはいえ、いまはボーカルからドラム、ベースまで、ほぼ全部のトラックにPro-C 3を挿しています。
まずは公式の紹介動画を貼っておきます。
挿した直後はこんな画面です。
ここからプリセットを選んで、少しだけ動かす、というのが基本の流れになります。

どのトラックに挿しているか
ボーカル、キック、スネア、ドラム全体、ベース。
歌モノでコンプをかけたい場所には、だいたいPro-C 3です。
ベースとかキックでの味付けで、1176がちょこっと出番がある感じです。
そしてミックスバス(ステレオアウト)のグルーコンプとしても使っています。
むしろ、単体トラックよりグルーコンプとしての出番のほうが多いかもしれません。
曲全体を軽くまとめて、バラバラだった音が一つの塊に聞こえるようにする使い方です。

このときはMixbus系のプリセットから入ります。
プリセットの説明に「Intended GR: 1 to 3dB」(狙いは1〜3dBのゲインリダクション)と書いてあって、後で書く自分の感覚ともだいたい合っています。
ドラムバスに挿すとこんな感じです。

スタイルはプリセット任せ、ボーカルだけOpto
Pro-C 3は画面の上のほうでスタイル(コンプのキャラクター)を切り替えられます。
Clean、Classic、Opto、Vocal、Mastering、Bus、Punch、Pumping……といった種類が、とにかくたくさんありますね。ややこしい。
ただ、純正Compressorのモデル(VCA・FET・Opto)の違いが分からなかったと前に書いたとおり、Pro-C 3のスタイルも正直ぜんぶを聴き分けられているわけではありません。
なのでスタイルは基本、プリセットが選んだものに従っています。
自分でキャラを詰めるところまではやっていません。
例外がボーカルで、ここだけは、一段目のコンプでOptoスタイルでゆるやかにかけるのが好きです。
Optoは反応がゆっくりで、強めにかけても不自然になりにくいので、歌が前に出てくる感じになります。
Optoで下ごしらえしたあとは、二段目に普通のコンプをもう一つ挿して、そちらはプリセットのまま薄くかけています。
強く一発ではなく、Optoでならして、そのあと普通のコンプで整える、という二段構えです。

かけ方の目安:GRは3dB、動かしていい音は強めに
ゲインリダクション(どれだけ音量を抑えているか)の目安は、だいたい3dBです。
メーターが3dBくらい振れていれば、それ以上は無理に潰しません。
ただしキックやベースのように「多少強く潰しても気持ちよくなる音」は、もっと強めにかけることもあります。
ここは音を聴いて決めます。
ボーカルだけは順番が違って、Optoで最初に8dBくらい強めにかけて「下ごしらえ」をします。
音量のばらつきをいったんならしてしまってから、そのあと二段目に挿した普通のコンプ(ボーカルチェーンのプリセットのまま)で軽く整えます。
強く一発で潰すのではなく、Optoでならしてから普通のコンプで薄く、の順番です。
アタックとリリースはほぼプリセットのまま
アタックとリリースも、基本はプリセットの値のまま使っています。
唯一いじるのがボーカル一段目のOptoで、アタックをほぼゼロまで下げます。
Optoはもともとゆっくり反応するので、アタックは最速にしておくくらいでちょうど良い、という感覚です。

リリースは基本オートに任せています。
細かく手で追い込むほど、コンプで結果が変わる感じがしない、というのが正直なところです。
サイドチェインはリバーブ返しくらい
Pro-C 3にはサイドチェイン欄があって、外部の音をトリガーにしてコンプを動かせます。
ただ、キックでベースを凹ませるようなダッキングは、ほとんどやっていません。
やるとしてもEQ側(Pro-Q 4)でダッキングする方法のほうを使うことが多いです。
Pro-C 3のサイドチェインで使うのは、ボーカルのリバーブ返しを歌に合わせて引っ込める処理くらいです。
歌っている間だけリバーブが下がるので、濁らずに済みます。
細かい機能はほとんど触っていない
LookaheadやOversampling、Mid/Sideごとの処理、ゲインリダクションの履歴表示……といった細かい機能は、正直ほとんど使っていません。
EQ(Pro-Q 4)ではMid/Sideを主役級に使っているのですが、コンプで同じことをやろうとは思っていません。
コンプはEQほど、いじって結果が変わる感じがしないので、そこまでこだわっていない、というのが本音です。
本当は、学ばないといけないのですが、後回しにしている感じです。
プリセットは出発点として使う
ここまで何度も書いたとおり、Pro-C 3はプリセットから入って、そこから少し動かすのが基本です。
ドラム、ベース、ギター、ボーカルと、用途ごとにカテゴリが分かれていて、それぞれ想定しているゲインリダクション量まで書いてあるので、初心者には出発点として分かりやすいです。

不満らしい不満はほとんどないのですが、強いて言えばプリセットの数がもう少し多いといいなと思います。
あと、説明や項目名が英語なので、最初はちょっと分かりにくく感じました。
正直な話:他のコンプも気になっていた
Pro-C 3を選んだのは、正直に言うとEssentialsバンドルに入っていたからです。
コンプ単体で「これが一番」と選んだわけではありません。
当時いっしょに見ていて、いまも気になっているコンプがいくつかあります。
比較の詳細はコンプレッサーのおすすめ比較に書いたので、ここでは動画だけ貼っておきます。
設定が楽そうなWaves。
Renaissance Compressorは、ノブが少なくて迷いにくいと評判で、値段も安いので気になっていました。
▼ 参考:Waves Renaissance Compressor の解説動画
AIに任せるSonible。
smart:comp 3は、曲を聴かせると設定を自動で作ってくれるタイプで、設定に自信がない自分には合っているかもしれないと思っています。
▼ 参考:Sonible smart:comp 3 の解説動画
1176系の質感が欲しいならArturia。
Comp FET-76は往年の1176をモデルにしたコンプで、質感目当てで一台持っておくのもありかなと思っています。
こちらもFX collectionを買う予定だったので、特に買っていない感じです。
▼ 参考:Arturia Comp FET-76 の解説動画
Pro C3を買うべきか
UIは分かりやすいと思います。
いまどのくらい潰しているかが視覚的に見えるので、コンプにお金を出せる初心者なら、買っても損はしません。
ただ、EQさえあれば、コンプに関しては純正でもいいというのが正直な結論です。
プラグインにお金を出すならまずEQで、コンプはそのあと、余裕があればで十分だと思います。
実際、自分もしばらくはLogic純正のCompressorだけで曲を完成させていました。
単体でも買えますが、EQ・コンプ・リバーブをまとめて良くしたいならEssentialsバンドルのほうが1つあたりの単価は下がります。
円・ポイント・まとめ買いの条件で見比べてください。
どちらにしても、いちばん安いのはブラックフライデーです(DTMのブラックフライデー2026/プラグインのセールは待つべき?)。
FabFilter Pro-C 3 を Plugin Boutique で見る →
まとめ
Pro-C 3は、ボーカルからミックスバスのグルーまで、ひととおりのコンプを1つでまかなえる便利なプラグインです。
ただ自分の場合、コンプはEQほど結果が変わらないと感じていて、スタイルもアタック・リリースもほぼプリセット任せ、GRは3dBを目安に薄く、というシンプルな使い方に落ち着いています。
凝ったことはしていません。
ありがたいのは、コンプのプリセットがあることですね。
Logicには、プリセットがないので。
Pro C3ですが、「コンプの下ごしらえを任せられる道具」として見れば十分に良い一台ですが、予算が限られているなら、まずEQ、コンプは純正で粘るという順番でもまったく問題ないと思います。







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