ミックスの低音が足りない・出過ぎるときの直し方|低域を30dB上げて失敗したボカロPが、今はキック→ベース→ダッキングの順で整える理由

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低音が聞こえない気がして、EQ で低域を30dB くらい上げたまま曲を出したことがあります。

30Hz あたりも切らずに残したまま、キックの 50Hz あたりをめちゃくちゃ大きくしたりですね。

 

それでも低音は前に出てきませんでした。

中が混み混みだったので、上げた低域まで埋もれて、ぐちゃぐちゃのまま出していました。

 

 

いま思えば、原因は「足りない」ではなく「濁っている」ほうでした。

この記事では、Logic Pro で曲を作っている私が、今はどの順番で低音を整えているのかを書きます。

 

キックとベースの EQ は、どちらも FabFilter Pro-Q 4 でやっています。

 

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低音が足りないと感じたら、上げる前に「濁り」を疑う

冒頭の曲で困っていたのは、キックの音が前に伸びないことでした。

当時は濁りが原因だと分からなかったので、足りないなら上げればいいと思って、低域を足し続けていました。

 

でも、30Hz のような聞こえない帯域まで大量に残っていると、キックとベースのような低域が同じ場所でぶつかります。

その状態で音量、音圧を上げても、混んでいる所がさらに混むだけでした。

 

もうひとつ悩んでいたのが、生ドラム系の音源で使っている Addictive Drums 2 のキックです。

私の使い方だと、キックのつまみ(クローズマイク)を上げれば少し大きくはなります。

 

ただ、ルームなどほかのマイクの音も混ざっているので、キックだけを思いどおりに前に出すのが難しく感じていました。

AD2 しか使っていないので、生ドラム系の音源はそういうものなのかは分かりませんが、いつも悩んでいたところです。

 

Addictive Drums 2 の EXPLORE 画面。右側に Room・Overhead・Hihat・Snare・Kick のレベルのつまみが並ぶ

 

最近はミックスに慣れてきて、このあたりは多少よくなってきました。

いまは低音を足すより先に、キックとベースの場所を分ける順番で整えています。

 

気づくのは最後:ステムを書き出して、初めてちゃんと鳴らしたとき

私は作曲中、音量は最初はかなり適当に作っています(ある程度気持ちよく聞こえるようにしているだけの状態)。

なので、低音のバランスに気づくのはだいたい最後の調整の段階です。

 

曲がほぼ完成したところでステムを書き出し、そのとき初めてオーディオインターフェースから音を出します。

そこで「低音が足りない」「出過ぎている」と気づくことが多いです。

 

もうひとつは、マスターに挿した Tonal Balance Control の画面です。

帯域ごとのバランスが目安の帯から外れていたら、低音を見直すきっかけにしています。

 

Stereo Out に挿した Tonal Balance Control。帯域ごとのバランスが、目安の帯に収まっているかを確かめる画面

 

マスタリングのときの確かめ方は、Ozone を Logic で使う手順に書いています。

ここからは、気づいたあとに直す順番です。

 

① まずキックを、好みのいい音にする

低音を直すとき、手をつけるのは基本的にキックが先です。

キックの低域の位置で、ベースの位置も決まると思っているからです。

 

なので、ベースを直す前にキックは触りすぎず、まず好みのいい音にしてしまいます。

下は、キックのトラックに Pro-Q 4 を挿した一例です。

 

キックのトラックに挿した FabFilter Pro-Q 4。100Hz から下を持ち上げ、300〜400Hz あたりを下げ、2〜3kHz と 10kHz を持ち上げた形

 

キックを2つの音源で重ねるときは、役割を分けています。

Addictive Drums 2 のキックに低域を任せ、XO のキックはハイパス(ローカット)をかけて高域だけ使う形です。

 

XO の使い方はXO のレビューに書いています。

 

Pro-Q 4 でどんなことができるかは、FabFilter 公式の動画がまとまっています。

 

② ベースのローカットを、キックと被らない位置にする

キックが決まったら、次はベースです。

ベースのローカットの位置を、キックの低域と被らない所まで動かします。

 

目安にしているのは何 Hz という数字ではなく、キックの低いところと重ならないことです。

 

ベースのトラックに挿した FabFilter Pro-Q 4。左端の Low Cut(18 dB/oct)と、300Hz 付近を下げたバンド

 

ベース以外の低い音も同じです。

たとえばピアノは、低音の担当はベースなので、基本はローカットして濁らないようにしています。

 

ベースの EQ・コンプ・サチュレーションの順番は、こちらに詳しく書きました。

ボカロのベースの音作り|ぼやけたら、足す前にまず削る。MODO BASS 2を使うボカロPがEQ・コンプ・サチュレーションでやっていること

 

③ ダッキングで、キックが鳴る瞬間だけベースの低域を下げる

最後にダッキングで調整します。

使っているのは ShaperBox 3 の Volume で、キックをトリガーにして、ベースの 150Hz 以下だけを下げる設定です。

 

下げる量は 50〜80% くらいで、かなり低域が聞こえにくくなるところまで潰します。

意識しているのは、キックがクリアに聞こえることです。

 

ベースのトラックに挿した ShaperBox 3 の Volume。Low と Mid の境目を 152Hz にして、低い方だけをキックに合わせて下げる設定

 

下げるのは 150Hz から下だけなので、それより上のベースの音はそのまま残ります。

 

Logic での細かいつなぎ方は、ShaperBox 3 のレビューにまとめています。

ShaperBox 3 を MIDI で動かす方法は、Cableguys 公式の動画が分かりやすいです。

 

 

ちなみに、ダッキングだけが目的なら ShaperBox 3 全部はいりません。

ダッキング用のプラグインはたくさんあるので、ShaperBox の中の VolumeShaper だけでも十分です。

 

まとめ:足す前に、キック→ベース→ダッキングの順で場所を空ける

昔の私は、低音が聞こえないと感じるたびに低域を足していました。

でも本当に足りなかったのは量ではなく、キックとベースが別々に鳴れる場所でした。

 

今の手順は、キックを好みの音に決める、ベースのローカットをキックと被らない位置にする、ダッキングで 150Hz 以下を下げる、の3つです。

そのあとステムを書き出して鳴らし、Tonal Balance Control でも外れていないかを見ます。

 

私の失敗は、濁りに気づかないまま低域を上げ続けたことでした。

低音で悩んでいるなら、つまみを上げる前に、30Hz のような聞こえない所が残っていないかを見てみてください。

 

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最後に、帯域のバランスを画面で確かめたい人に。

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ABOUTこの記事をかいた人

Logic Pro で音楽制作をしています。インスト曲とボカロ曲を作りながら、DTM・プラグイン・ミックスで実際に試して分かったことを書いています。