Native Instruments Playboxは要る?コードと音をサイコロで出す音源を、Scaler 3を持つボカロPが調べて見送った理由

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いつも似たような曲になってしまうなら、サイコロを振って、出たコードと音で1曲作ってみる。

Native Instruments の Playbox は、その「サイコロ」を音源の中に持っている製品です。

 

Playbox はセールに出ているのをたまに見かけていて、名前は前から知っていました。

私はコード進行の道具として Scaler 3 を持っていますが、Playbox はそれとはかなり役割が違うと感じています。

 

先に答えを書くと、今の私には特に要らない製品です。

ただ、使う人によっては曲の幅を広げるきっかけになると思うので、何をする音源なのか、誰に向くのかを順に書きます。

 

Native Instruments Playbox を Plugin Boutique で見る →

 

Playboxは、コードと音とエフェクトをサイコロで組み合わせる音源

Playbox は、Native Instruments の Kontakt の上で動く音源です。

無料の Kontakt Player でも使えます(有料の Kontakt なら 6.7 以上)。

 

画面の下には「CHORDS(コード)」「SAMPLES(音)」「FX(エフェクト)」の3つの欄が並んでいます。

それぞれにサイコロのボタンがあり、押すとその欄の中身がランダムに入れ替わります。

 

Playbox の画面の下側。CHORDS・SAMPLES・FX の3つの欄にそれぞれサイコロがあり、上に Strum・Verb・Tape などのつまみが並ぶ(Plugin Boutiqueの製品画像)

 

コードの欄には、200以上の「コードのセット」が入っています。

1つのセットは鍵盤1つで1つのコードが鳴るように組まれていて、音楽理論を知らなくても指1本でコードを弾けます。

 

セットの中のコードは、1音ずつ直すこともできます。

自分で弾いたコードや MIDI ファイルを読み込んで使うこともでき、できたコードの並びは MIDI として書き出して、DAW のほかの音源で鳴らせます。

 

音の欄には、6つの「キューブ」に分けて900以上のサンプルが入っています。

シンセ・生楽器(弦・オルガン・ピアノなど)・ベース・声・ノイズ(ドアの音や氷の音など)の5つに、自分の音を最大450個まで読み込める欄が1つ加わります。

 

Playbox の画面。右に6つのキューブと中央のサイコロ、左に音を動かすXYパッド、下にCHORDS・SAMPLES・FXの欄(Plugin Boutiqueの製品画像)

 

読み込んだ自分の音も、コードに合わせて音の高さを自動でそろえてくれます。

エフェクトには、和音をばらして鳴らす Arp や、ギターのように少しずつずらして鳴らす Strum などがあり、リズムや質感を足せます。

 

Kontakt Player で動く音源かどうかの見分け方は、Kontakt Player と有料版の記事にまとめています。

 

公式動画の印象は「きれいな音」、ただ仕組みはすぐには分からなかった

公式の紹介動画を見ると、全体にきれいな雰囲気の音が多いと感じました。

私の印象では、Arturia の音源のような澄んだ感じに近いです。

 

ただ、ピアノのような音も入っているので、選ぶ音しだいで「きれい系」かどうかは変わるのかもしれません。

 

 

動画を見ただけでは、画面の中で何が起きているのかが、最初はよく分かりませんでした。

コードに対して決まった組み方(ボイシング)で音を鳴らし、フレーズを作ってくれる道具なのかな、というのが動画を見たときの私の理解です。

 

製品ページで確かめると、コードに沿って鳴らすという理解はおおむね合っていました。

そこに、コードのセット・音・エフェクトをそれぞれサイコロで選び直していく仕組みが加わっている、というのが正確なところです。

 

Scaler 3とは役割が違い、近いのはRiffer 4

私が持っている Scaler 3 は、キーやスケールを決めて、合うコードの候補から自分で選んで並べていく道具です。

コード進行を組み立てるところに重心があります。

 

Scaler 3 の基本画面。スケールを選ぶと、そのキーに合うコード候補が並ぶ

 

Playbox は、コードのセットも音もエフェクトも、サイコロでランダムに出てくるところから始まります。

同じ「コード」を扱う製品でも、Scaler 3 と Playbox は役割がかなり違うと思います。

 

 

どちらかというと Playbox に近いのは、Audiomodern の Riffer 4 です。

Riffer 4 も、キーやスケールに沿ったリフ(短いフレーズ)をランダムに作ってくれるプラグインです。

 

Riffer 4のメイン画面。キーとスケール、密度などのつまみの下に、色分けされたリフのマスが並ぶ(Plugin Boutiqueの製品画像)

 

ランダムに、コードに沿った音を作ってくれるという点で、Playbox は Riffer 4 と同じ向きの道具だと感じました。

Riffer 4 については、初心者なら買っていい一方、私は自分で作った方が早いので買わない、という考えをこちらに書いています。

 

Audiomodern Riffer 4を調べてみた|リフを自動で作るプラグインを、昔欲しかったボカロPが今は買わない理由

 

 

Scaler 3 を実際に使ってきた話は、Scaler 3 のレビューにあります。

 

3万円を超える値段なら、私は買わない

Playbox は、通常の値段で3万円を超えます。

私には高すぎると感じていて、特に要らないというのが今の答えです。

 

Plugin Boutique の Playbox の製品ページ(2026年10月30日時点で¥32,940)

 

それでも、ランダムでコードと音が出てくる作りは、ある意味でインスピレーションにはなると思います。

作曲を仕事にしていて、たくさん作りすぎてアイデアが出なくなったときなら、ありだと思います。

 

向いていそうなのは、アイデアのスケッチとして使いたい人です。

作りたい曲はあるのに、それに合うフレーズやコードが分からない人には、きっかけになりそうです。

 

趣味のボカロPが振るなら、「いつもの曲」から抜けたいとき

趣味でボカロ曲を作っている人は、作りたい曲やコードが、ある程度自分の中にあると思います。

方針がある中で、わざわざランダムにコードを出す必要は、あまりありません。

 

まったくアイデアが無い初心者のボカロPが、ランダムで出して作るのは、ある意味で使える方法です。

ただ、何も無いところから出てきたものだけで、いい曲が作れるかというと、そうはならないのかな、とも思います。

 

反対に、いつも同じような曲になってしまうときは話が変わります。

「サイコロで出たもので1曲作ろう」と決めて作れば、自分の曲の幅は広がります。

 

そういう意味では、時短の道具というより、レベルアップのために使いやすい道具なのかな、と思っています。

 

まとめ:サイコロが要るのは、アイデアが尽きた人と曲が似てきた人

  • Playbox は、コード・音・エフェクトをサイコロで組み合わせる、Kontakt Player で動く NI の音源
  • 200以上のコードのセットと900以上のサンプル入りで、自分の音も読み込める
  • Scaler 3 のようにコード進行を組み立てる道具とは役割が違い、Riffer 4 に近い
  • 3万円を超える値段は私には高く、今は要らない
  • 向くのは、アイデアが出なくなった人、作りたい曲に合うコードやフレーズが分からない人、いつも似た曲になってしまう人

 

NI の製品がブラックフライデーにどうなるかは、Native Instruments のブラックフライデーの記事で確かめられます。

 

作りたい曲はあるのに、合うコードやフレーズが浮かばない人に。

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ABOUTこの記事をかいた人

Logic Pro で音楽制作をしています。インスト曲とボカロ曲を作りながら、DTM・プラグイン・ミックスで実際に試して分かったことを書いています。