毎月ボカロ曲を出しているのに、再生数が伸びない。
埋もれる。
そういう人に向けた記事です。
私もそうです。ニコニコ動画・YouTube・各SNSに毎月1曲出して、ボカコレにもルーキー部門からTOP100部門まで毎回出してきました。
正直、伸びていません。
「ボカロ 伸びない」、「ボカロ 再生されない」で検索すると、だいたい同じことが出てきます。
サムネを作り込め、タグをちゃんと付けろ、Xで宣伝しろ、投稿時間を選べ、ボカコレを狙え。
全部やりました。その上での話です。
先に結論を書きます。その場限りで消えていく努力(ボカコレ期間だけのX相互フォロー、サムネの微調整、初速狙い)に熱量を注ぐより、あとから効き続けるもの。例えば、曲の実力と世界観、そして「発見され続ける導線」=YouTubeショートに時間を使うほうが、遠回りに見えて早いと考えています。
そして、伸びない理由には運やアルゴリズム、ボカコレの構造といった 自分ではどうにもならない要因 もかなりあります。そこで消耗しないことも含めての話です。
YouTube の配信のクセについて感じていることも、後半で少し書きます。
なお「そもそも音がショボくて聴いてもらえない」というのは別の問題で、ボカロ曲が再生されない原因は音源かもしれない と ボカロ曲のミックスのやり方 に分けて書きました。
この記事は、その手前の「聴かれるところまで」の話です。
「伸びない対策」を一通りやってみた結果
よく言われることを、実際にやってみた感触です。
- サムネの作り込み … 自作もしたし、BOOTH で買ったイラストを使って作ったこともあります。結論、どちらでも再生数は変わりませんでした。「サムネを直したら伸びた」という経験は、少なくとも私にはありません(絵師の方のイラストは高く未実施)。
- タグ・説明文の整備 … やって当たり前の下ごしらえです。ただ、これで再生数が跳ねることはありません。付いていないと損をする、という性質のものです。
- 投稿時間 … 私は夕方に出しています(後述)。効果はあると思いますが、大きくはありません。
- X宣伝/ボカコレ … これは分けて書きます(次の2つの見出し)。
要するに、どれも 土台としては必要だけど「やれば伸びる」ものではない。
整えたら、それ以上は時間をかけずに次へ行っていいと思っています。
X宣伝(相互フォロー)は、やめてもいい
ボカコレ投稿の時期にXで「聴きました!」、「相互になりましょう」とやり取りをして、お互いの曲を再生し合う。
これは、ほぼ意味がないと感じています。
理由は、その時期だけの繋がりで終わるから です。
フォローし合っても、次の曲を待ってくれる継続リスナーにはなかなかなりません。
イベントが終われば、お互い自分の活動に戻ります。
初速は確かに有利になります。
でも初速が全てではありません。初速で少し伸びても、そこで止まる曲は止まります。
その「宣伝に使う時間と気力」を、次の曲を良くすることと、後で書くショートに回したほうが、長い目で見て効きます。
※ここは意見が分かれるところだと思います。宣伝が向いている人、宣伝が効く場面もあります。あくまで「私はやらない」という話です。
運営が禁止した方法でもあるため、効果はあると思います。
規約違反なので、私はやりませんが。
ただ、全てのボカコレを分析して、ルーキーランキングに入った人を見ましたが、今も続けている人はかなり少数です。
ボカコレで勝ちたいのか、ボカロを人生で続けていきたいか。それを考えた方がいいかもしれません。
ボカコレとの距離の取り方
ルーキー部門からTOP100部門まで、毎回出してきました。
出してみて分かったのは、構造的に新規は不利 だということです。
- 長く活動している人ほど、すでにファンがいて有利
- 海外のリスナーは投票にカウントされない
- 応援してくれる人がニコニコのプレミアム会員だと、投票の重みが増して有利
だから、良い曲を出しても埋もれることは普通にあります。

大事なのは、「ボカコレで結果を出したい」のか、「ボカロPとして続けて成功したい」のか を自分で分けることだと思います。
前者ならボカコレに全力でいい。
後者なら、ボカコレの結果に一喜一憂しすぎないほうがいいです。
2年近く、本気で優勝を目指して、それでも最終4位という結果を受けて「今回のボカコレをもってボカコレは引退する」と公表したボカロPもいます(東京真中さん・2026年夏の公開ポスト。音楽をやめるという話ではなく、ボカコレというイベントから離れる、という意味です)。
ボカコレ2026夏TOP100、最終結果は4位でした
2年間、本気で優勝を目指してきたからこそ、正直なところ悔しさはあります
が、今回みんなと作戦会議をしたり、これまで関わってくれた人たちが陰ながら応援してくれたり… pic.twitter.com/HCDMjPYyc8
— 東京真中 (@tokyomanaka) August 24, 2026
結果を出せる実力の人でも、ボカコレとは区切りをつけることがある。
まして始めたばかりなら、環境要因で結果が出ないのは「しょうがない」と受け止めて、時間も熱量もかけすぎないほうがいいと思います。
時間をかけるべきは、曲の実力と世界観
じゃあ何に時間を使うか。曲そのものです。
テストで80点を90点にするのと、99点を100点にするのとでは、後者のほうがずっと時間がかかります。
今の自分がいるのはたぶん前者の段階で、まずは場数を踏んで再生を回すのが先だと思っています。
そのうえで意識しているのが 世界観 です。
MARETUさんのように、ひと聴きで「あ、この人だ」と分かる作家性。曲単体の完成度とは別に、その人の色がある。
自分のフォロワー(ニコ動)を見ると、サツキさんや柊マグネタイトさんのような人と私を同じ並びで聴いてくれている人もいます。
評価してくれる層は必ずいます。あとは実力で応えるだけです。
私自身は、曲もイラストもダーク寄りで、その雰囲気を毎回そろえるようにしています。
曲だけ、絵だけを直しても、ちぐはぐだと「その人の色」にはなりません。
具体的に時間を使う先は、だいたいこの4つです。
- 聴きやすさ・ミックス … ボーカルが埋もれる、音が団子になる、というのは ボカロ曲のミックスのやり方 に手順を書きました。
- 音源の質 … ドラムとベースが安っぽいと、それだけで「素人っぽい」と判断されます。初心者が最初に変えるべき音源はドラムとベース 。
- 調声・歌の説得力 … ボーカルの処理について と VOCALOID6・Synthesizer V・Piapro Studio を実際に使った話 。調声の癖は揃える。
- 世界観 … 歌詞、音色の選び方、MVのトーン。全部を一本の筋に通す。
「サムネを一晩いじる」より、「毎日ちょっとずつ、この4つのどれかを上げる」ほうが効きます。
地味ですが、今日やることの積み重ねでしか実力は上がりません。
いちばん効いている導線は、YouTubeショート
意外かもしれませんが、私のチャンネルは 視聴の8割以上がショートフィード経由 です。
検索や関連動画からフル尺の曲を見つけてもらうより、ショートでたまたま流れてきて知ってもらうことのほうが、圧倒的に多いです。

ここがXの宣伝と決定的に違うところです。
Xの相互フォローは、やった瞬間に消える。
ショートは、いちど当たれば数週間、数か月と配られ続ける ストック になります。
同じ時間をかけるなら、消える側ではなく貯まる側にかけた方がいいはず。
作った縦動画は、TikTokとInstagramにも同じものを出しています。
作る手間は1回で、露出の面が増えます。
ショートの作り方そのものは長くなるので別の記事にします。
ここでは「宣伝に回す熱量があるなら、まずショートを作る側に回したほうがいい」とだけ。
YouTubeは「チャンネルの実績」で配信量を決めている
これが、私がいちばん大事だと思っていることです。
YouTube に曲を上げていて強く感じるのは、チャンネルの1本目がいちばん伸びやすい、ということです。
まだ「このチャンネルはどれくらい再生されるか」の判断材料がないから、一度は広めに配ってみてくれるのだと思います。
逆に、毎回100再生くらいで落ち着いているチャンネルだと、YouTube は「この人の動画は100再生くらいの規模」と結論づけて、そのぶんしか配らなくなる感触があります。
良い曲を上げても、最初から頭打ちになる。
だから、いわゆる「転生」(チャンネルを作り直して最初からやる)にも一理あるな、と感じています。
断言はできませんが、少なくとも私の実感には合っています。
これから始めるなら、練習・実験用のチャンネルと、本気で聴かせたい曲を出すチャンネルを分けておく、という手もあると思います。
MVは動かす
もうひとつ時間をかけている場所がMVです。
昔は一枚絵に歌詞を乗せるだけでも通用しました。
今は 一枚絵の止まったMVは、ほぼ伸びません。バイラルで跳ねることも、まず起きない。
外注も検討して見積もりを取りましたが、1曲あたり5〜10万円でした。
毎月出す身には現実的じゃない。
なので After Effects で自分で作っています。
After Effectsは1年契約で、大体毎月3300円ぐらいです。

大事にしているのは「飽きさせない」、「つまらなくしない」ことだけです。
凝った演出でなくていいので、常にどこかが動いている状態にする。
AEJuice のような 動きの素材パック のほか、Flow(イージング)や Deep Glow(発光)といった定番のプラグインも、使えるものはなるべく買って使っています。凝ったことをするためというより、手を速くするための投資です。
MVも、さっきの「世界観」を作る仕事の一部です。
色数、フォント、動きのクセ。そこに自分の色が出ます。
小さく効いていること
誇張なしで、やってよかった細かいことです。
- 投稿は夕方 … 普段もボカコレも。帰宅後に見てもらいやすい時間だと感じます。
- タイトルにサビの歌詞を一節入れる … 検索でも引っかかるし、クリックの手がかりにもなります。
- プロセカの楽曲公募に毎月応募 … 正直、手応えがあった回はまだありません。それでも続けているのは、毎月テーマが出るので作曲の練習になるからです。同じテーマを他の人がどう料理したか、過去の入選作と見比べるのも面白い。再生数がほぼゼロでもチャンスがある数少ない場ですし、落ちても曲は残ります。通りやすくするコツは、テーマにちゃんと合わせること、他の応募と被らないこと、少し斬新であること、今までのプロセカにない曲であること、譜面にしたときに面白くなりそうなこと。あとは運です。
まとめ:伸びない原因を切り分ける
「伸びない」とひとくくりにすると動けなくなるので、原因を分けて考えます。
- 音で損している … ドラムとベース 、ミックス 。ここは直せば変わる。
- 聴かれる前で止まっている … サムネ・タイトル・タグ・尺。整えたら終わり。時間をかけすぎない。
- 実力と世界観がまだ … ここに時間を使う。毎日の積み重ね。
- 導線がない … ショートを作る。消えるX宣伝より、貯まるショート。
- チャンネルの実績で頭打ち … YouTube は過去の再生数からチャンネルの規模を判断している感触があります。1本目がいちばん伸びますし、実績がブレーキになっているなら、作り直す(転生)のも選択肢です。
- 環境要因 … 運、アルゴリズム、ボカコレの構造。これは受け入れる。
その場限りの努力に熱量をかけすぎないこと。
続けていれば、ちゃんと評価してくれる人は増えていきます。
私もまだ途中ですが、そう思ってやっています。
はじめての1曲は 曲を作ったことがない人が、まず1曲を完成させるまで 、機材のそろえ方は ボカロPの始め方 にまとめています。







コメントを残す