サチュレーションまわりの音源は、Logicのサチュレーションは純正ChromaGlowで足りる? という記事で、純正 ChromaGlow・RC-20・iZotope Trash の3つをまとめて紹介しました。
ただ、あの記事では Trash は3つのうちの1つとして軽く触れただけだったので、今回の記事では Trash だけ を掘り下げて書きます。
先に言っておくと、今回はかなり辛口です。
買ってよかった部分もありますが、私の中での出番はかなり限られています。
まずは公式の紹介動画を貼っておきます。
動画を見ると使えるように見えるのですが。
セールで安くなっていたので、迷わず買った
買ったのは、作曲を始めて 15〜20曲目くらいの頃です。

きっかけは単純で、セールで安くなっていたのを見て、その場で買いました。
Trash には機能を絞った無料版の Trash Lite がありますが、私は Trash Lite は使っていません。
セールの値段なら、試す前に買っても損はないという感覚でした。
純正 ChromaGlow に加えて、もう少し積極的に歪ませられるものが一つ欲しい、というくらいの動機です。
効いている使い方①:ベースをプリセットで太くする

いちばん出番があるのはベースです。
といっても凝ったことはしていなくて、ベース用のプリセットを選んで、MIX を下げて薄める だけです。
上の画像は「Bass Enhancer 01」というプリセットを読み込んだところで、Trash の中で低い帯域と高い帯域に分かれて、それぞれ別の歪みがかかっています。
この帯域分割はプリセットが最初からやってくれます。
全域にかかっているものもあります。
そのままかけると歪みが前に出すぎるので、MIX を下げて、原音に軽く倍音が足されるくらいに戻します。
ベースの芯を残したまま、輪郭だけ少し太くするイメージです。
ほぼベースだと使ってもデメリットは少ないかと。アコースティック系以外は足すことが多いです。
効いている使い方②:ドラムに変わり種の歪みを足す

もう一つは、ドラムに気分で歪みを足すときです。
毎回やるわけではなくて、曲の雰囲気で「ここはもう少し荒れていたほうがいい」と思ったときに、Distortion モジュールを薄くかけます。
私は基本クリア系が好きなのと、曲もクラシックとか劇伴系が好きなので、あまり歪ませる系は出番が少ないです。
ドラム用のプリセットも Bigga Buz、Digital Burn、Drum Lofier のように用途で分かれているので、ここから近いものを選んで、あとは MIX とかかり具合を調整します。
これも薄くかけるのが前提で、そのまま100%で使うことはまずないです。
正直に言うと①:そのままでは歪みが強すぎる

Trash を使っていていちばん感じるのは、そのままだと歪みが強すぎて、薄めないと曲に馴染まない ということです。
プリセットもカテゴリごとに整理されていて数は多いのですが、読み込んだ瞬間は「かかりすぎ」なことが多く、結局 MIX やドライブを下げて調整することになります。
作り直すほどの失敗をしたことはありませんが、Trash を挿したら まず MIX を下げる のが、自分の中で癖になっています。
ちなみに Convolution(IR=キャビネットや空間の鳴りを転写するモジュール)も付いていますが、私は使っていません。
正直に言うと②:選択肢に「歪みしかない」

もう一つ引っかかっているのは、Trash でできることは基本的に歪みだけ だということです。
モードを開くと Distort、Drive、Fuzz、Heavy、Retro、Saturate……と並んでいますが、どれも方向性としては「歪みが強いか弱いか」「高音が強く出るか」くらいの違いに感じます。
もちろん歪みのプラグインなのでそれで正しいのですが、もう少し質感の幅があれば、もっと出番が増えたかなというのが正直なところです。
向いていないもの:ボーカルのメイン処理
ボーカルに Trash を強くかけるのは、あまりよくないと感じています。
歪みメインでかけるというより、「ちょっとおかしい歪み」でキャラを付ける特殊枠 として、ピンポイントで使うのが合っていると思います。
1フレーズだけ機械的にする、みたいな使い方ですね。
インサートで昔は使っていましたが、最近はセンドで混ぜることが多いですね。
素直にボーカルを太くしたいなら、ボーカルの音作りの記事 や サチュレーションの記事 に書いた純正 ChromaGlow のほうが扱いやすいです。
いまの立ち位置:正直、出番は少ない
正直に書くと、いま Trash を使う頻度はかなり低い です。
一応使っているけど薄めて使っているので、ほぼ効果はないかなと。
メインで使っているのは Logic 純正の ChromaGlow で、そこに RC-20 Retro Color を足すくらい。
この2つで足りてしまうことがほとんどです。
Trash の出番は、前に書いたベースと、ドラムの気分枠くらいで、マスタートラック(ステレオアウト)に挿すことは原則ありません。
ただ、これは自分の曲が EDM やロック中心ではないからかもしれません。
歪みを積極的に前へ出すジャンルがメインなら、Trash はもっと出番があると思います。
記事を書いてて思いましたが、初期の頃はEDM系で、ステレオアウトにTrashをうっすらかけていた気がします。
ちなみに純正の ChromaGlow がどんなものかは、この動画が分かりやすいです。
競合をどう見たか
買うときに候補として見ていたのは、Soundtoys の Decapitator と、FabFilter の Saturn 2 でした。
最終的には Trash が一番安かったので、それに飛びついた という形です。比較試聴をしっかりやったわけではありません。
Soundtoys Decapitator は、アナログ機材5種類のモデルを切り替えて色を付けるタイプで、評判もいいです。
セールの時もまあまあ安いのがいいですね。
FabFilter Saturn 2 はマルチバンドで、Trash と近いこともできて、かつ歪み以外の質感も持っている印象です。いまでも欲しいのですが、値段が高くて手を出せていません。手は出せるけど高いですね。
結果として Trash が現役のまま、という状態です。
Saturn を含めたプラグインを「いつ買うのが安いか」は プラグインのセールは待つべき? に書いています。
買うなら
まとめると、Trash は急いで買うものではない と思います。
無料の Trash Lite があるので、まずはそれで「歪みのキャラが好みか」を試すのがいいです。
私は Lite を飛ばしましたが、お金に余裕がない人は、まず Lite で試してみるのがいいと思います。
そのうえで「変わり種の歪みが1つ欲しい」「ベースを手軽に太くしたい」となったら、セールのタイミングで買うくらいでちょうどいいです。
もちろんバンドとか、歪系とかが好きなのであれば、買う価値はあると思います。
iZotope Trash を Plugin Boutique で見る →
Plugin Boutique での買い方は Plugin Boutiqueの使い方、セールの時期の全体像は DTMのブラックフライデー にまとめています。
まとめ
iZotope Trash は、セールで安くなっていたので、比較もほどほどに買ったプラグインでした。
ベースをプリセットで太くする、ドラムに変わり種の歪みを足す、という ピンポイントの使い方には効いています。
一方で「歪みしかない」ぶんネタが一種類になりやすく、そのままでは強すぎて薄めないと使えない。いまは普段使いが純正 ChromaGlow + RC-20 で、Trash は出番を選ぶ というのが正直なところです。
安く買えたなら「おかしい歪みが欲しい日」に効く、くらいの距離感で持っておくといいと思います。
大きく歪ませたい人は、まず無料の Trash Lite で好みに合うか試してみてください。
試しておけばよかったなあと思います。
iZotope Trash を Plugin Boutique で見る →
1曲を最後まで作る流れは まず1曲を完成させるまで に書いています。







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