サチュレーションまわりの音源は、Logicのサチュレーションは純正ChromaGlowで足りる? という記事で、純正 ChromaGlow・RC-20・iZotope Trash の3つをまとめて紹介しました。
ただ、あの記事では Trash は3つのうちの1つとして軽く触れただけだったので、今回の記事では Trash だけ を掘り下げて書きます。
先に言っておくと、今回はかなり辛口です。
買ってよかった部分もありますが、私の中での出番はかなり限られています。
まずは公式の紹介動画を貼っておきます。
動画を見ると使えるように見えるのですが。
セールで5000円だったので、迷わず買った
買ったのは、作曲を始めて 15〜20曲目くらいの頃です。

きっかけは単純で、セールで5000円くらい になっていたのを見て、その場で買いました。
Trash には機能を絞った無料版の Trash Lite がありますが、私は Trash Lite は使っていません。
値段が5000円なら、試す前に買っても損はないという感覚でした。
純正 ChromaGlow に加えて、もう少し積極的に歪ませられるものが一つ欲しい、というくらいの動機です。
効いている使い方①:ベースをプリセットで太くする

いちばん出番があるのはベースです。
といっても凝ったことはしていなくて、ベース用のプリセットを選んで、MIX を下げて薄める だけです。
上の画像は「Bass Enhancer 01」というプリセットを読み込んだところで、Trash の中で低い帯域と高い帯域に分かれて、それぞれ別の歪みがかかっています。
この帯域分割はプリセットが最初からやってくれます。
全域にかかっているものもあります。
そのままかけると歪みが前に出すぎるので、MIX を下げて、原音に軽く倍音が足されるくらいに戻します。
ベースの芯を残したまま、輪郭だけ少し太くするイメージです。
ほぼベースだと使ってもデメリットは少ないかと。アコースティック系以外は足すことが多いです。
効いている使い方②:ドラムに変わり種の歪みを足す

もう一つは、ドラムに気分で歪みを足すときです。
毎回やるわけではなくて、曲の雰囲気で「ここはもう少し荒れていたほうがいい」と思ったときに、Distortion モジュールを薄くかけます。
私は基本クリア系が好きなのと、曲もクラシックとか劇伴系が好きなので、あまり歪ませる系は出番が少ないです。
ドラム用のプリセットも Bigga Buz、Digital Burn、Drum Lofier のように用途で分かれているので、ここから近いものを選んで、あとは MIX とかかり具合を調整します。
これも薄くかけるのが前提で、そのまま100%で使うことはまずないです。
正直に言うと①:そのままでは歪みが強すぎる

Trash を使っていていちばん感じるのは、そのままだと歪みが強すぎて、薄めないと曲に馴染まない ということです。
プリセットもカテゴリごとに整理されていて数は多いのですが、読み込んだ瞬間は「かかりすぎ」なことが多く、結局 MIX やドライブを下げて調整することになります。
作り直すほどの失敗をしたことはありませんが、Trash を挿したら まず MIX を下げる のが、自分の中で癖になっています。
ちなみに Convolution(IR=キャビネットや空間の鳴りを転写するモジュール)も付いていますが、私は使っていません。
正直に言うと②:選択肢に「歪みしかない」

もう一つ引っかかっているのは、Trash でできることは基本的に歪みだけ だということです。
モードを開くと Distort、Drive、Fuzz、Heavy、Retro、Saturate……と並んでいますが、どれも方向性としては「歪みが強いか弱いか」「高音が強く出るか」くらいの違いに感じます。
もちろん歪みのプラグインなのでそれで正しいのですが、もう少し質感の幅があれば、もっと出番が増えたかなというのが正直なところです。
向いていないもの:ボーカルのメイン処理
ボーカルに Trash を強くかけるのは、あまりよくないと感じています。
歪みメインでかけるというより、「ちょっとおかしい歪み」でキャラを付ける特殊枠 として、ピンポイントで使うのが合っていると思います。
1フレーズだけ機械的にする、みたいな使い方ですね。
インサートで昔は使っていましたが、最近はセンドで混ぜることが多いですね。
素直にボーカルを太くしたいなら、ボーカルの音作りの記事 や サチュレーションの記事 に書いた純正 ChromaGlow のほうが扱いやすいです。
いまの立ち位置:正直、出番は少ない
正直に書くと、いま Trash を使う頻度はかなり低い です。
一応使っているけど薄めて使っているので、ほぼ効果はないかなと。
メインで使っているのは Logic 純正の ChromaGlow で、そこに RC-20 Retro Color を足すくらい。
この2つで足りてしまうことがほとんどです。
Trash の出番は、前に書いたベースと、ドラムの気分枠くらいで、マスタートラック(ステレオアウト)に挿すことは原則ありません。
ただ、これは自分の曲が EDM やロック中心ではないからかもしれません。
歪みを積極的に前へ出すジャンルがメインなら、Trash はもっと出番があると思います。
記事を書いてて思いましたが、初期の頃はEDM系で、ステレオアウトにTrashをうっすらかけていた気がします。
ちなみに純正の ChromaGlow がどんなものかは、この動画が分かりやすいです。
競合をどう見たか
買うときに候補として見ていたのは、Soundtoys の Decapitator と、FabFilter の Saturn 2 でした。
最終的には Trash が一番安かったので、それに飛びついた という形です。比較試聴をしっかりやったわけではありません。
Soundtoys Decapitator は、アナログ機材5種類のモデルを切り替えて色を付けるタイプで、評判もいいです。
セールの時もまあまあ安いのがいいですね。
FabFilter Saturn 2 はマルチバンドで、Trash と近いこともできて、かつ歪み以外の質感も持っている印象です。いまでも欲しいのですが、値段が高くて手を出せていません。手は出せるけど高いですね。
結果として Trash が現役のまま、という状態です。
Saturn を含めたプラグインを「いつ買うのが安いか」は プラグインのセールは待つべき? に書いています。
買うなら
まとめると、Trash は急いで買うものではない と思います。
無料の Trash Lite があるので、まずはそれで「歪みのキャラが好みか」を試すのがいいです。
私は Lite を飛ばしましたが、5000円前後のセールでなければ、Lite から入って十分だと思います。
そのうえで「変わり種の歪みが1つ欲しい」「ベースを手軽に太くしたい」となったら、セールのタイミングで買うくらいでちょうどいいです。
もちろんバンドとか、歪系とかが好きなのであれば、買う価値はあると思います。
iZotope Trash を Plugin Boutique で見る →
Plugin Boutique での買い方は Plugin Boutiqueの使い方、セールの時期の全体像は DTMのブラックフライデー にまとめています。
まとめ
iZotope Trash は、セールで5000円だったので、比較もほどほどに買ったプラグインでした。
ベースをプリセットで太くする、ドラムに変わり種の歪みを足す、という ピンポイントの使い方には効いています。
一方で「歪みしかない」ぶんネタが一種類になりやすく、そのままでは強すぎて薄めないと使えない。いまは普段使いが純正 ChromaGlow + RC-20 で、Trash は出番を選ぶ というのが正直なところです。
安く買えたなら「おかしい歪みが欲しい日」に効く、くらいの距離感で持っておくといいと思います。
まずは無料の Trash Lite からで十分だと思います。
試しておけばよかったなあと思います。
iZotope Trash を Plugin Boutique で見る →
1曲を最後まで作る流れは まず1曲を完成させるまで に書いています。





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